数日前の日記でお話したクエンティン・タランティーノ監督の新作「KILL BILL」(ご本人いわく「カンフー映画」)ですが、公式サイトもすでに立ち上がっています。

↓「KILL BILL」公式サイト
http://www.kill-bill.com/

上記サイトの「HANZO STEEL」を覗いてみると、日本刀が浮かんできて、それをクリックすると日本語の文章が出てきます。服部半蔵が作った刀という設定のようで、その半蔵役は千葉真一が演じているとか。

……ニャるほど。

以前、タランティーノは「ビデオ屋の店員をしていたとき、狂ったように映画を観ていた」と語っていましたが(私もそんな時代があったな〜…)――そのころ、千葉真一主演のアクション映画を観ていたに違いない!

↓「激突!殺人拳」The Street Fighter(1974・日)
http://us.imdb.com/Title?0073756

↓「殺人拳2」Return of the Street Fighter (1974・日)
http://us.imdb.com/Title?0073623

私も学生時代に「千葉真一大会」というビデオ大会(…)で、彼の昔のアクション映画をいくつか観た覚えがあります。よって、あの時代の千葉さんのスゴさをビデオで(いちおう)知ってはいますが…トレイラーを見る限り、今作での千葉さんはかなりそれらのツボを得ている雰囲気。…う〜むナイス配役!…思わず、タランティーノの(千葉さんに対する)リスペクトを感じちゃった…って、実際タランティーノがどう思ってるかはわかりましぇんが。


というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今日のお題は「思い出走馬灯映画」。
映画を語るとき、「ここがダメ」とか「ここが素晴らしい」など、とかく評論をしがちなものですが、個人的な思い入れや思い出があり過ぎて、評論がどうしても二の次になってしまう――そんな作品って誰にもあるのではないでしょうか?

今回は――私のそんな作品を、思い出とともに語ってみたいと思います。


「ラッシュアワー」Rush Hour(1998・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0120812
監督:ブレット・ラトナー
脚本:ロス・ラマナ
出演:ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、トム・ウィルキンソン、他

ストーリー:
アメリカ・LAで、中国領事・ハンの幼い娘が誘拐された。その事件の捜査として、ハンは香港警察のリー(J・チェン)を呼び寄せたが、FBIにとっては邪魔な存在。彼の動きを封じようと、LA警察の一匹狼で問題児のカーター(C・タッカー)にお守役をさせる。仕事に対して真面目なリーと、おしゃべりで問題ばかり起こすカーター。一見、水と油のようなふたりだったが、捜査が進むうちに打ち解け始める。そして――。


映画が始まって、1番最初のクレジットに「JACKIE CHAN」という文字が出てきたとき。…涙がポロポロ出てきて――もうどうしようもなかった。一緒に映画を観に行った友人が驚いてしまったくらい。…でも同じように涙が出た人、もしくはうるうる状態になった人って…私以外にもいるんじゃないのかニャ?

だってね……「香港資本でないハリウッド100%の映画にジャッキー・チェンが主演。ハリウッドのアクション映画なのにも関わらず、ジャッキーは銃を撃たない――つまりスタッフ側が(すべてではないだろうけど)ジャッキー映画を理解していて、彼に対するリスペクトにも溢れてた」から…。


私が映画を観だしたのは小学生の頃。カンフー映画ブームもあって、当時のジャッキーは大人気。毎月買ってた映画雑誌『ロードショー』での人気投票でも彼はダントツ1位(ちなみに女優ではフィービー・ケイツが1位)。私も彼のことが大好きで、彼の映画は、「少林寺木人拳」から「バトルクリークブロー」まで観たし(1番好きなのはやっぱり「酔拳」)、映画のチラシだって集めた。

ジャッキーが日本でアルバムを出すというので、それも購入。歌詞は英語や広東語だけでなく、日本語もあって、私はいまだにそのうちの何曲か歌える(日本語歌詞の「四月になれば」「マリアンヌ」など)。そのアルバムの中の1曲、「ムービースター」は「夜のヒットスタジオ」で彼が生で歌ったことも覚えている。

中学1年くらいのころに『愛してポーポー』(たぶん絶版)という自伝が発売されたときも、予約して購入した。その自伝には、彼の明るいコミカルなイメージからはとても想像できないような…つらい幼少時代の話や、売れない俳優時代の話など…かなりヘビーな内容が書かれていて、私は相当ショックを受けた。

彼の名作でもある「プロジェクトA」は、映画館に3回も観に行った(そのうちの2回分の前売り半券をいまだに持っている)。時計台からの落下シーンは…いま観ても鳥肌が立つ。
ハリウッドのオールスター映画で彼も出演した「キャノンボール2」は、2回観に行った(これも半券がまだある)。日本版ポスターやジャケットは、ジャッキーがメインだったけど…実際はほんのチョイ役だった。

ジャッキーの情報を得ようと雑誌や映画を観ているうちに、「ジャッキーと共演したF・シナトラやS・デイビス・Jrって?」「ジャッキーがファンだというF・フォーセットって、どんな女優?」「『ロードショー』で特集されてるマット・ディロンって?」…最初はジャッキーに関することだけだったけど、だんだん映画全般に対する知識も増えていった。

――などなど、ジャッキーについてだと…もうキリがないくらい話せる私。とにかく、彼は私のヒーローだった。たぶんあの頃…私だけでなくみんなのヒーローだったかもしれない。たとえば私と同世代のナイナイ岡村。彼がジャッキーをリスペクトしてる気持ちが――私にはよ〜〜〜くわかる。

でもそんな日本や香港で大人気のジャッキーも…
ハリウッドではサッパリだった。

米国進出映画で、監督もアメリカ人だった「バトルクリークブロー」(1980)は失敗作だったし、「キャノンボール」も香港のゴールデンハーベスト社が製作してたから、出演できたようなもの。もう惨憺たる結果で――アメリカ人はだれも彼のことは知らないだろうな〜と私は思っていた。

ところが。それから10年以上経って…「レッド・ブロンクス」(1995)がなんと全米興収1位を獲得。フタを開けてみれば…「昔、ジャッキーの映画を観たよ」「好きだったんだ」というコメントが山ほど出てきて…私はもう嬉しくて仕方がなかった。日本だけじゃなかったんだよね…。

そんなジャッキーに対する個人的な思い出と思い入れがあって、彼の本格的なハリウッド映画「ラッシュアワー」のトップに彼の名前を観たとき…涙が溢れて仕方がなかった。エンドロールでNG集があったのにも感動(ジャッキー映画である証拠だから)。よかった…本当によかった…。

もちろん、ジャッキーにもハリウッドに対する不満があることは知ってる。「ラッシュアワー」もC・タッカーのほうが目立ってて、ジャッキーのアクションも本領じゃない。それにあと10年早かったらもっと……。

それでも私は――この作品が好き。

だって…映画って…出来とか不出来とか…それだけじゃないでしょう?
個人的な思い入れがあってもいいんじゃない?


そんなことを痛感しつつ――赤くなった目を擦って映画館を出たことを覚えている。

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