――ぎゃははははははは!
私もミッキー・ロークっていうと「豹柄スケスケボクサーパンツで猫パンチKO!」を思い出します♪>蛍風さん

いまでこそ「落ち目な上にブヨブヨ体型、整形崩れ気味な顔立ち」のミッキー・ロークですが、その昔、ボクシングの試合(もちろんプロボクシング。場所もたしか後楽園ホールじゃなかったっけ?)のために来日したころの彼は、そりゃ〜人気者でございました。私もあのボクシング試合がとても印象に残ってまして、たしかあの試合…タイトル戦でもないはずなのに、なぜかラストに行われるメイン戦になっておりました(通常だとタイトル戦がメイン戦。たしかあのときは、ユーリ・アル…なんとか選手のチャンピオン戦がメイン戦になるはずだった)。

そんなミッキーのトランクスは――「豹柄スケスケトランクスに黒系のハイレグパンツ(もしかしたら、薄い黒系のスケスケトランクスに豹柄のハイレグパンツ、だったかも)」!!…いや〜!スゴかった!(いろんな意味で)

ちなみに対戦相手(名前忘れた)は、とてもボクサーとは思えないブヨブヨ体型のオヤジ。そんな彼も数ラウンド後に、ミッキーの「後世に語り継がれるじゃないか必殺猫パンチ」を食らい、マットに撃沈。……。
勝ったはずのミッキーですが、結果的にあの「猫パンチ」は――各方面には多大な影響を、ファンには百年の恋も冷めるかのような大ダメージを与えてしまったのでした…。……。

なんでこんなに覚えているのかと云うと、あの試合をTVで見たからです。TVで放送されるくらい、当時の彼の人気はスゴかったんですね〜…。しみじみ…。


というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今回のお題は「愛と獲物」。
人間ではない主人公が、生きていくためにどうしても必要な獲物(エサ)に愛を感じてしまったら――いったいどうなるのか。そんな主人公の心を描いた作品を取り上げてみました。


「クロコダイルの涙」The Wisdom of Crocodiles(1998・英)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0120894
監督:レオン・ポーチ
脚本:ポール・ホフマン
出演:ジュード・ロウ、エレナ・レーベンソン、ティモシー・スポール、他

ストーリー:
美しい青年医師・スティーブン(J・ロウ)は、自分を愛してくれる女性の生き血を吸わないと死んでしまうため、女性を誘ってはその血を吸い、次々と証拠なき殺人を繰り返していた。そんなある日、アン(E・レーベンソン)という女性に出会ったスティーブンは、彼女を次の獲物と決め、近づいていくが――。


とても(私にとって)文学的でロマンティックな映画。
そして…映画本編だけを観て、どこまで深く踏み込んでいけるか――それによって、映画の印象はガラリと変わってしまう――そんな作品でもあるかニャ?(ただ、間違って欲しくないのは、私は「深く踏み込める人」=「映画がわかる人」であると云いたいわけじゃない)

この作品は、(理由があって)主人公の感情の起伏をかなり押さえ気味に描いている上に、主人公のセリフも抽象的で、かなり観る側のイマジネーションを要求してくる。それを受け入れられるかどうかが…評価の分かれ目。私なんかは「ほほ〜!こりゃロマンティックだ〜」と思ったけど、友人Fにとっては「中途半端で、なにが云いたいかわからない映画」なんだそう。

この映画の主人公スティーブンは、生き延びるために「感情を捨てた」ヴァンパイア(って、本当は人間という設定だけど)。なんで感情がないかと云うと…「自分を愛してくれる女性」の血じゃないと生きていけないのに、自分がもしその女性を愛してしまったら、その血を奪うことができなくなってしまう――つまり「生きるための獲物」である女性に愛情を感じることは、彼にとって「死」を意味する――から。

そして、この映画で面白いニャ〜と思ったところは、もしスティーブンが「自分を愛する女性」から血を奪えたとしても、それが100%愛だけで構成されているものとは限らない、というところ。もし、愛のほかに「恐怖」や「憎悪」などが溶け込んでいたら?…それが彼の医者としての仕事の中でさりげなく別の表現で描かれていたり、彼が血を得たあとに苦しみながら吐き出す、釘に似た「固形物」などでも表現されている。「相手からの愛は必要だけど、自分が愛を感じてはダメ。そしてたとえ血を奪えても、その中に含まれている『憎悪』や『恐怖』などの不純物が自分を苦しめる」…か。う〜む、いままでのヴァンパイアものでは、なかなか見られなかった展開(と設定)だよニャ〜。

演じるジュードも、実に「感情のない」演技をするんだけど――いや〜…美しいわ〜〜〜!…正直云うと、けっして私の好みの美形じゃないんだけど…こういう絶滅系美形俳優は、絶対に保護するべきだと思う。いまのハリウッドでは、なかなかいないタイプなんだもん。
とまあ、そんなジュードなので、このスティーブン役もスバリ配役。スティーブンは――とても美しく、どこかミステリアス。感情が見えない…けど、冷たい印象は受けない。女性に対しても、がっついた雰囲気はない。こりゃ女性にモテて当然だわ。あの目で見つめられたら――イチコロかもね。

この映画観てたら「ハンガー」(1983…またこのあたりの映画を持ち出す…知ってる人少ないだろうニャ…)って作品を思い出しちゃった。あの映画のデビッド・ボウイとカトリーヌ・ドヌーブは――ホント美しかったよニャ〜…。同じヴァンパイアものでも、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994)よりも、「ハンガー」の方が印象強い私。

ちなみに、この映画の舞台は英国(ロンドンだっけ?)なんだけど、私にはあんまりそんな雰囲気が(いい意味で)感じられなかった。欧州にある、どこかの都市…って感じ。この映画は雰囲気的にその方が絶対にいいと思う。

あと、スティーブンによる「自分の中にある爬虫類の話」、アンの「孔子の話」「箸の話」などがとてもとても文学的。それが嫌味にならない、一歩手前に語られているので、私にはスマッシュ・ヒットだった。

それから…この「クロコダイルの涙」というタイトル。原題は「クロコダイルの叡知」なんだけど、これは「鰐は獲物を食らうときに涙を流してみせる。それは下等な動物である鰐の分別である」(うろ覚え)っていうF・ベーコン(16世紀の哲学者)の言葉なんだそう。そっか〜…ニャるほど…そう思うと、的を得た上手いタイトルだニャ〜。

スティーブンは生き血を吸うと云っても、ヴァンパイアではなく、あくまでも人間。そんな彼が獲物として狙った女性を――初めて愛してしまったら?…愛と死――彼はそのどちらを選ぶのか。それがこの映画の最大の観所…かニャ?

人によっては、抽象過ぎて動きがなく、心理描写も中途半端な作品に映るかもしれない。でも私には「俳優の演技・脚本・演出・映像・ラストシーン…そのすべてが、観る側の想像力を掻き立ててくれる」作品だった。そして、と〜〜ってもロマンティックな映画だった(あのラストでもね)。そう思う人は少ないだろうし、雄弁な映画が好みな人もいるだろうから…万人にはススメられないけど。


しかし…ジュード…黒パンツ穿いてました?…それでもマジ、見えそうなんですけど…。


♯こんな人にオススメ
「文学的かつ幻想的、さらにロマンティックな映画だったら云うことないな〜♪」「やっぱヴァンパイアは美しくないと♪」「ジュードー!!」

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