「妹の恋人」

2004年6月15日
←日本は昔からジョニー・デップの人気が非常に高い国。昨年、愛すべきおバカ海賊を演じるまで、「シザーハンズ」(1990)のハサミ男として、ジャパニーズの間ではよく知られておりました。たしかに「シザーハンズ」は名作です。でもアナタがジョニーファンならば、この「妹の恋人」をはずしちゃダメダメ!…超カワイイジョニーが拝めるナリよん♪

20世紀FOX「1枚買ったら1枚タダ!」5/28キャンペーン(2980円)で購入した、映画DVDの感想第二弾です。

■「妹の恋人」Benny & Joon(1993・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0106387/
監督:ジェレマイア・チェチック
脚本:バリー・バーマン
出演:ジョニー・デップ、メアリー・スチュアート・マスターソン、エイダン・クイン、ジュリアン・ムーア、他

ストーリー:
両親の事故死以来、精神が不安定になってしまった妹ジューン(M・S・マスターソン)とふたり暮らしをしている兄ベニー(A・クイン)。ある日、その兄妹の家にサム(J・デップ)という風変わりな青年が転がり込む。無口で文盲気味、どこか得体の知れない彼だったが、実は心優しく、バスター・キートンのような芸の才能に溢れていた。そしていつしかサムとジューンの間に恋心が芽生えるが――

やさしくて純粋で繊細で――誰もが知ってる名作ではないけれど、そのなんていうか…秘密の花園のような映画だよニャ…。

「過保護な兄、世間から離れた繊細なふたり」というアンサンブルもので、兄の妹離れと妹の恋愛がメインに描かれている――と書くと、よくあるシチュエーション映画だと思われがちですが、「どんな役でも自由自在に演じられるジョニー・デップ」を堪能できるところに付加価値があるかニャ?

ダイナーのカウンターでパンにダンス(チャップリンね)をさせるジョニー、公園でバスター・キートンのような体を張ったギャグを披露するジョニー、アイロンでパンを焼くジョニー、ポテトを勢いよく潰すジョニー、表情と雰囲気、しぐさだけで心情を表現するジョニーー――なんと芸達者なことよ!

その中でも、あの体を張ったパントマイムギャグ。なんとジョニーは、すべてスタントなしで演じきったのだとか。まるで「新春かくし芸大会」の堺正章!…スゴイわ〜…見惚れちゃったもん。

精神不安定なため、大人になっても兄のベニーに守られ、家で一日中絵を書いて暮らしているジューン。性格はやさしく、特別な才能を持っているのに、その独特な印象のせいで厄介者扱いされているサム。世間から多少はずれているふたりの恋模様が描かれているのですが――とてもとてもとても純粋で…人を好きになったのはたぶん初めて、萎えた足でヨチヨチ歩きな恋愛をするふたりを見てるだけで、もうせつなくて。しかも上目がちなジョニーが「マミー…」!…わたしゃ、スクリーンの前で見事に撃沈しちまいましたよ!(ちゅど〜ん!)

精神的に障害を持っているという設定はなかなか難しく、誤解を招かないような配慮をしなければならないわけですが、この作品も、そのあたりをかなりぼかして描写してあります。よく云えば「上手い」、悪く云えば「ズルい」というか。でも上手くてズルい描写だからこそ、作品を重くさせずに、ふたり…じゃない、3人の未来を明るいものに感じさせているんじゃないかニャ?

ジョニー以外の俳優陣に関しては――まずジューン役のM・S・マスターソン。出演作は「恋しくて」「フライド・グリーン・トマト」あたりが有名かニャ?…繊細でちょっと神経質的な雰囲気が実にナイス。ベニーといい仲になるルーシー役にジュリアン・ムーア。この人は昔から上手くて、ベタにさせないその自然で品のある演技はさすが。

ジョニーに関しては――演技うんぬんは前述したので、ルックスに関して少し。「タイガーランド」のコリン・ファレル同様、ジョニーも油断すると顔から太っていくタイプ。今作でのちょっと丸いお顔立ちは、役作りのためだと思えない…って、大きなお世話とゆーか、ジョニーだって極東ギャルにそんなこと云われたかないっつーの!

俳優陣の丁寧な演技、ジョニーの芸、繊細かつほのぼのとした中にユーモアを感じさせるストーリー、そつのない演出――あんまり知らていないけれど、自分の心の中にずっとクリップで留めておきたい、そんな小作品。

しっかし…監督のジェレマイア・チェチック――とても「アベンチャーズ」を撮った人だとは思わないわ〜…。

♯左利きフェチ友の会より報告
左利きリスト追加:
ジョニー・デップ…と書きたいところですが、この映画で彼が見せる左利きは、字が上手く書けないサムを演出してのこと(見てるとそれがよくわかります)。実際の彼は右利きです。

■DVD仕様評価

1.惹句(DVDの帯についてる宣伝コピー)

「『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のジョニー・デップ主演。妹思いの兄の奮闘ぶりを描いたファンタジック・ラブ・ストーリー。」

そのま〜んま。可もなく不可もなく。
でもこれが数年前だったら、「『シザーハンズ』のジョニー・デップ…」と書かれていたでしょうね。「ショコラ」のジョニー・デップ、「ドン・ファン」のジョニー・デップ、「エド・ウッド」のジョニー・デップ、「フロム・ヘル」のジョニー・デップ、「スリーピー・ホロウ」のジョニー・デップ……では、ちとキツイし。

2.仕様・特典など
ピクチャーレーベル、ドルビーサラウンド、ビスタ・サイズ、監督による音声解説、未公開シーン集(2種)、スクリーンテスト風景、ミュージック・ビデオ、オリジナル劇場予告編

日本語吹替を付けて欲しかった…。でもこの作品だと、森川智之さんがジョニーを演じるという滅多にないキャスティングがされそーだー。監督の音声解説はあんまり面白くない…とゆーか、チェチック監督はどうやら喋るのがニガテな模様。ひとりでやらずに、脚本家あたりと一緒に喋ったほうが良かったのでは?

3.総括
以前、同じ仕様で4000円台だったことを思えば、けっこうお得。
それにしても、「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、ジョニーの人気を再燃させたと同時に、普遍的なものにもしちまいましたねぇ…しみじみ…。

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