「キング・アーサー」
2004年7月24日
←左からクライブ・オーウェン(アーサー)、キーラ・ナイトレイ(グウィネヴィア)、ヨアン・グリフィズ(ランスロット)。
クライブ・オーウェンが主役のアーサーなんですよ〜と云っても、このポスター見る限りじゃあ、キーラ・ナイトレイが主演みたいですよねぇ。「キーラ姫と僕ら」って感じ。
というわけで、なんとか「キング・アーサー」を観に行ってきました。暑かったよ〜…。
「キング・アーサー」King Arthur(2004・米)
IMDb→http://www.imdb.com/title/tt0349683/
日本公式サイト→http://www.movies.co.jp/kingarthur/index.html
監督:アントアン・フークア
脚本:デヴィッド・フランゾーニ
出演:クライブ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ、マッツ・ミケルセン、ジョエル・エドガートン、他
ストーリー:
西暦415年。ローマの司令官アーサー(C・オーウェン)は、ランスロット(I・グリフィズ)をはじめとする円卓の騎士らを率い、独立を求めるウォード(ブリテン人)や他民族サクソン人たちから、ブリテンのハドリアヌス壁を守ってきた。だがローマは撤退を決め、ゲルマヌス司教は、アーサーらに敵地である北部からローマ人一家を救うという最後の命を下す。そして北部の地に到着したアーサーたちは、ローマ人のほか、そこで囚われの身となっていたブリテン人のグウィネヴィア(K・ナイトレイ)を救うが――
「本来15世紀あたりの話と云われているアーサー王伝説ですが、本作では5世紀に設定してみました」というお断りから本編スタート。つまり、「オリジナルストーリーになるから、そこんとこヨロシク〜」と云いたいわけね――だったら、お手並み拝見といこうじゃないの!…と、それなりの心構えをし、多少設定が違おうとも映画として面白ければいいや〜なんて思いながら、スクリーンを見つめていたんですが。
途中まで――グウネヴィアが出てくるまでは「ほ〜、そうきたか〜」と200歩譲って観てたとゆーのに―――
コラァァァァァァァァァァァァ〜〜〜〜〜!!
ランスロットの見せ場がまったくないやんけ!
どこが最強の騎士や!?俺は納得いかんぞ!…って、日本人の私ですらそう思ったんですから、アーサー王伝説好きの英国人のみなさんは、もっと納得いかなかったことでしょうねぇ。そしてクライマックスのあのアーサーの云い草は(たとえ正直でも)あんまりだわ。しかも地味とゆーか、常に仏頂面のクライブ・オーウェンでは魅力ないしねぇ…。
(以下、それなりにネタバレありです。お気をつけ下さい)
アーサー王伝説を知らない人には、なんであの最終バトルでグウィネヴィアがランスロットに駆け寄ったかわかんないでしょう――そりゃそーだ、だってろくな伏線を張ってなかったくせに、最後にムリヤリそれを回収しようとするんだもん。あれじゃわからんっちゅーに…ってか、伏線を湯浴み目撃と視線だけで済ますな!ばかもん!…「恋は視線から始まる」ったって、あれじゃムリだっつーの!
そしてあのクライマックスのゴーインさにはショック。クライマックスで誰かが死ぬというのは、たしかに文字通り最大の盛り上がりとなるわけですが、なんで彼が!?…「アーサー王伝説」で重要な彼を死なせれば盛り上がるとでも思った?…いきなり過ぎだし、安直だっつーの!
丁寧に作ってあるかと思ったのに、クライマックスからラストにかけての雑な展開に大ショック。いくらエンタテイメント映画だと云っても、風が吹いて桶屋が儲かっては困るのよぅ〜…。
アーサーは…やっぱオーウェンじゃツライな〜と。集客力もないと判明したし、地味だしそれほどセクシーとも云えず…こりゃボンド候補から脱落か。リーダーの風格だけでなく、人間味もあるアーサー王を描きたいという印象を受けたのに、彼の仏頂面、口から発せられるセリフとセリフまわし、全体的に醸す雰囲気などがそれを感じさない。とてもフラット。それ思うと、やっぱラッシーは、稀有な風格と演技力で素晴らしかったよニャ〜…。リドリー・スコットやピーター・ウィアーの云ってたことは、ズバリだったってことか。
円卓の騎士のみなさんは――正味2時間では描ききれないし、仕方がないという感じ。それでもランスロットはヒドかった…せめてもちっとカッコイイ見せ場を用意して欲しかった…とゆーか、カットして欲しくなかった。
みんなビックリの野生児グウィネヴィア――その薄めな胸周りに対し、個人的にたいへん共感を覚えましたが――仏頂面で淡白なセリフまわしのクライブ・オーウェンが相手では、熱演してもラブシーンがまったく映えないし、年齢差を必要以上に感じさせてるし、ムリが生じて(色気もないし)、正直観ていてツラかった。どうせあんなムリなクライマックスとラストを迎えるなら、アーサーじゃなくてランスロットを選ぶ(もしくは完全に恋愛からランスロットをはずす)脚本にすりゃよかったのに。どっちにしろ、映画オリジナルなんでしょ?
しかし…「アナタがレイプされないように私が守ってあげる」と云うグウィネヴィアに、云われるランスロットかあ。……。中世とは、学術的に云うとだいたい5世紀〜15世紀(西ローマ帝国滅亡あたりからルネッサンスの前ぐらい)なんですが――カタパルト(「タイムライン」にも出てきた、中世を代表する木製の投石機。いちおう古代から存在してました)が出てきたり、映像がダークな色調だったりと、観ている側に中世をイメージさせるとはいえ――グウィネヴィアは現代人みたいだったり、なんだか全体を通して観るとバランス悪い。あと…妙に「七人の侍」を意識してません?(そう思ったのは私だけ?)
アーサー王伝説を知らないほうが楽しめたかもしれない…でもどうせウソをつくなら、上手にウソをついて欲しい――そんなことを感じさせた一作。たとえば、原作を踏みつつもオリジナルな展開だった「仮面の男」なんかは、キャラは立ってたし、ウソも上手についてたので、とても楽しく観れたのになあ……。
クライブ・オーウェンが主役のアーサーなんですよ〜と云っても、このポスター見る限りじゃあ、キーラ・ナイトレイが主演みたいですよねぇ。「キーラ姫と僕ら」って感じ。
というわけで、なんとか「キング・アーサー」を観に行ってきました。暑かったよ〜…。
「キング・アーサー」King Arthur(2004・米)
IMDb→http://www.imdb.com/title/tt0349683/
日本公式サイト→http://www.movies.co.jp/kingarthur/index.html
監督:アントアン・フークア
脚本:デヴィッド・フランゾーニ
出演:クライブ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ、マッツ・ミケルセン、ジョエル・エドガートン、他
ストーリー:
西暦415年。ローマの司令官アーサー(C・オーウェン)は、ランスロット(I・グリフィズ)をはじめとする円卓の騎士らを率い、独立を求めるウォード(ブリテン人)や他民族サクソン人たちから、ブリテンのハドリアヌス壁を守ってきた。だがローマは撤退を決め、ゲルマヌス司教は、アーサーらに敵地である北部からローマ人一家を救うという最後の命を下す。そして北部の地に到着したアーサーたちは、ローマ人のほか、そこで囚われの身となっていたブリテン人のグウィネヴィア(K・ナイトレイ)を救うが――
「本来15世紀あたりの話と云われているアーサー王伝説ですが、本作では5世紀に設定してみました」というお断りから本編スタート。つまり、「オリジナルストーリーになるから、そこんとこヨロシク〜」と云いたいわけね――だったら、お手並み拝見といこうじゃないの!…と、それなりの心構えをし、多少設定が違おうとも映画として面白ければいいや〜なんて思いながら、スクリーンを見つめていたんですが。
途中まで――グウネヴィアが出てくるまでは「ほ〜、そうきたか〜」と200歩譲って観てたとゆーのに―――
コラァァァァァァァァァァァァ〜〜〜〜〜!!
ランスロットの見せ場がまったくないやんけ!
どこが最強の騎士や!?俺は納得いかんぞ!…って、日本人の私ですらそう思ったんですから、アーサー王伝説好きの英国人のみなさんは、もっと納得いかなかったことでしょうねぇ。そしてクライマックスのあのアーサーの云い草は(たとえ正直でも)あんまりだわ。しかも地味とゆーか、常に仏頂面のクライブ・オーウェンでは魅力ないしねぇ…。
(以下、それなりにネタバレありです。お気をつけ下さい)
アーサー王伝説を知らない人には、なんであの最終バトルでグウィネヴィアがランスロットに駆け寄ったかわかんないでしょう――そりゃそーだ、だってろくな伏線を張ってなかったくせに、最後にムリヤリそれを回収しようとするんだもん。あれじゃわからんっちゅーに…ってか、伏線を湯浴み目撃と視線だけで済ますな!ばかもん!…「恋は視線から始まる」ったって、あれじゃムリだっつーの!
そしてあのクライマックスのゴーインさにはショック。クライマックスで誰かが死ぬというのは、たしかに文字通り最大の盛り上がりとなるわけですが、なんで彼が!?…「アーサー王伝説」で重要な彼を死なせれば盛り上がるとでも思った?…いきなり過ぎだし、安直だっつーの!
丁寧に作ってあるかと思ったのに、クライマックスからラストにかけての雑な展開に大ショック。いくらエンタテイメント映画だと云っても、風が吹いて桶屋が儲かっては困るのよぅ〜…。
アーサーは…やっぱオーウェンじゃツライな〜と。集客力もないと判明したし、地味だしそれほどセクシーとも云えず…こりゃボンド候補から脱落か。リーダーの風格だけでなく、人間味もあるアーサー王を描きたいという印象を受けたのに、彼の仏頂面、口から発せられるセリフとセリフまわし、全体的に醸す雰囲気などがそれを感じさない。とてもフラット。それ思うと、やっぱラッシーは、稀有な風格と演技力で素晴らしかったよニャ〜…。リドリー・スコットやピーター・ウィアーの云ってたことは、ズバリだったってことか。
円卓の騎士のみなさんは――正味2時間では描ききれないし、仕方がないという感じ。それでもランスロットはヒドかった…せめてもちっとカッコイイ見せ場を用意して欲しかった…とゆーか、カットして欲しくなかった。
みんなビックリの野生児グウィネヴィア――その薄めな胸周りに対し、個人的にたいへん共感を覚えましたが――仏頂面で淡白なセリフまわしのクライブ・オーウェンが相手では、熱演してもラブシーンがまったく映えないし、年齢差を必要以上に感じさせてるし、ムリが生じて(色気もないし)、正直観ていてツラかった。どうせあんなムリなクライマックスとラストを迎えるなら、アーサーじゃなくてランスロットを選ぶ(もしくは完全に恋愛からランスロットをはずす)脚本にすりゃよかったのに。どっちにしろ、映画オリジナルなんでしょ?
しかし…「アナタがレイプされないように私が守ってあげる」と云うグウィネヴィアに、云われるランスロットかあ。……。中世とは、学術的に云うとだいたい5世紀〜15世紀(西ローマ帝国滅亡あたりからルネッサンスの前ぐらい)なんですが――カタパルト(「タイムライン」にも出てきた、中世を代表する木製の投石機。いちおう古代から存在してました)が出てきたり、映像がダークな色調だったりと、観ている側に中世をイメージさせるとはいえ――グウィネヴィアは現代人みたいだったり、なんだか全体を通して観るとバランス悪い。あと…妙に「七人の侍」を意識してません?(そう思ったのは私だけ?)
アーサー王伝説を知らないほうが楽しめたかもしれない…でもどうせウソをつくなら、上手にウソをついて欲しい――そんなことを感じさせた一作。たとえば、原作を踏みつつもオリジナルな展開だった「仮面の男」なんかは、キャラは立ってたし、ウソも上手についてたので、とても楽しく観れたのになあ……。
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