もうかれこれ10年近く、連絡の途絶えてる友人……らしき人がいる。
高校時代に知り合った彼女とは、なんでも話し合える親友というわけではなく、それどころか手紙を通してのお付き合い――つまり、実際に会ったことのない文通相手、それも向こうから「文通して下さい」と云われなければ、成り立つことはなかった付き合いだった。当時の私は、人からの頼みになかなかNOとは云えない女子高生で、そんな風に頼まれればやはりどうしても断ることができず、「いいですよ」と返事をしてしまった――それがこの後何年も続くこととなる苦行の始まりとは思いもせずに。
たとえ遠くに離れていても相手は同い年の女の子、なにかしら盛り上がる話はあるだろうと、筆不精な手でペンを持ち、彼女宛の手紙なるものを数通したためてみた。がしかし、たいへん筆まめで、何枚も何通も書いてくる彼女からの手紙は、そのどれもこれもが私の興味をまったくそそらない、つまらない自慢話が書き連ねてあり、次第に私にとって見るのも読むのも苦痛な、封筒に包まれてやってくるストレス爆弾となってしまった。
そんな手紙にどう返事を書けと?…仕方がないので、彼女の興味がありそうな話を書いてみた。だが返事はそれにあまり触れられてはおらず、学校であったこと、友達が自分をどう見ているかということ、好きなマンガ(=私がまったく読まないマンガ)の話が延々と書かれていた。なんでこんなことを何枚も書けるのだろう?――もうウンザリだった。
1年後、卒業が間近となった。縁を切る最大のチャンス到来である。私はそのまま返事を書かずに、県外の大学へと進むため引越しをしようとした――が、バカな私は彼女のリクエストに答え、新住所を教えてしまった。「後悔先立たず」とはまさにこのこと、大学へ進学した後も、彼女からの手紙を受け取ることになってしまったのである。
明日に続く。
高校時代に知り合った彼女とは、なんでも話し合える親友というわけではなく、それどころか手紙を通してのお付き合い――つまり、実際に会ったことのない文通相手、それも向こうから「文通して下さい」と云われなければ、成り立つことはなかった付き合いだった。当時の私は、人からの頼みになかなかNOとは云えない女子高生で、そんな風に頼まれればやはりどうしても断ることができず、「いいですよ」と返事をしてしまった――それがこの後何年も続くこととなる苦行の始まりとは思いもせずに。
たとえ遠くに離れていても相手は同い年の女の子、なにかしら盛り上がる話はあるだろうと、筆不精な手でペンを持ち、彼女宛の手紙なるものを数通したためてみた。がしかし、たいへん筆まめで、何枚も何通も書いてくる彼女からの手紙は、そのどれもこれもが私の興味をまったくそそらない、つまらない自慢話が書き連ねてあり、次第に私にとって見るのも読むのも苦痛な、封筒に包まれてやってくるストレス爆弾となってしまった。
そんな手紙にどう返事を書けと?…仕方がないので、彼女の興味がありそうな話を書いてみた。だが返事はそれにあまり触れられてはおらず、学校であったこと、友達が自分をどう見ているかということ、好きなマンガ(=私がまったく読まないマンガ)の話が延々と書かれていた。なんでこんなことを何枚も書けるのだろう?――もうウンザリだった。
1年後、卒業が間近となった。縁を切る最大のチャンス到来である。私はそのまま返事を書かずに、県外の大学へと進むため引越しをしようとした――が、バカな私は彼女のリクエストに答え、新住所を教えてしまった。「後悔先立たず」とはまさにこのこと、大学へ進学した後も、彼女からの手紙を受け取ることになってしまったのである。
明日に続く。
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