バナナとパイナップルのタルト、抹茶&甘なっとのパウンドケーキ
2009年1月14日 真夜中の甘味道場 コメント (2)
夜中の1時30分頃に焼き上がりました。
どちらも作り慣れているレシピです。
■バナナとパイナップルのタルト
小嶋ルミレシピ。共焼き。
小嶋さんのレシピは、種類によって作業の手間がかかるものがあるけど、タルトはレシピ自体が難しくないので、このバナナとパイナップルのタルトも簡単にできた。
タルトは基本的に「ベース+アパレイユやフィリング」。どのフルーツにどのナッツを合わせるか。クレームにするかダマンドにするか。いろんな組み合わせができるので楽しい。慣れないうちは、本に書かれてあるレシピを参考にすればいいけれど、どのお菓子研究家の本も、載っている内容はたいがいどれも同じ。違いを挙げるとすれば、タルト台の材料の比率、混ぜ方かな?
タルト台のレシピで失敗がないのは、小嶋ルミさん。小嶋さんの本には、「どうして失敗するか」「どんな失敗をしがちなのか」を踏まえたうえで、「どうしたら失敗しないか」ということを、初心者にも理解できるように説明してある。そして、実際に作ってみると、そのレシピに納得する。本当に失敗しないから。
いろんなお菓子研究家の本が出版されている中、小嶋さんのレシピは、タルトだけでなくどれもが美味しい。「うわ!これハズレ…」ということがない。人気がある理由が本当によくわかる。
■抹茶とぬれ甘なっとのパウンドケーキ
私が大好きな島本薫さんのレシピ。
ベイキングパウダーは使わない、卵ベースのパウンドケーキ。抹茶はなんと8g使う。他のお菓子研究家の本では、抹茶ではなく抹茶パウダーを使ったリ、抹茶を使ってもだいたいこの半量だったりする。実際、私も最初「なんで8g?」と思ったけれど、作ってみて納得。
抹茶を入れたときに立ち上がる香り。
切り分けたときの、美しく鮮やかな深緑色。
4gでは絶対にここまで感じられない。
(抹茶が切れたことに気付かず、4gで作ったこともある)
抹茶は高級品だからとケチれば、ケチなケーキしかできない。
そして、日本人で良かったと思うその気持ち。
真夜中、生地に抹茶を入れた瞬間、厳かな気持ちになる。
島本さんの「パウンドケーキ大好き」に載っているケーキは、ほとんど作ってみたけれど、この本のおかげで卵と会話することを覚えた。
よく「~分間、卵を泡立てる」という手順が出てくる。これはあくまでも目安であり、卵の品質と鮮度で泡立て時間は変わる。卵ベースパウンドケーキで使用する卵は、新鮮であればあるほどいいとは限らない、理想は「新しからず古からず」ということがよくわかった(実際に、本にもそう書かれてある)。
新鮮だと卵はなかなか泡立たない。レシピに指示されている分数以上かかる。
古ければ卵は泡立ちやすく、レシピに指示されている分数以下で済む。でも、粉を入れて混ぜ合わせるときに、気泡が壊れやすい。
「卵は赤ければいい」という消費者の先入観から、安価で「黄身が濃く、殻を赤く仕上げてある」卵は、温めていると生臭い嫌な臭いが立ち上がる。
少々お高めであっても品質の良い卵は、黄身も殻もそんなに赤くないし、温めていても嫌な臭いはしない。
同じ卵ベースでも、スポンジケーキでは、卵をもったりと跡が大きく長く残るまで泡立てる。パウンドケーキでは、後から入れる溶かしバターの量が多いからか(たぶん)、その一歩手前、1~2秒で跡が消えるくらいがベスト。泡立てすぎや泡立てが少なかったりすると出来にどう影響するか、島本レシピパウンドケーキを何度も作れば、理解できる。島本さんの指示にあった「できた角が1~2秒で消えるくらい」は的確であり、間違いはない。
「どうしてスポンジケーキが膨らまないのか?」で悩んでいる人は、「パウンドケーキ大好き」で勉強するといいと思う。卵の重要性、膨らませるための温度、扱い方がよくわかる。また島本さんも、小嶋さんと同じような混ぜ方の指示があるので(ただし写真は少ない)、気泡を潰さない粉の混ぜ方がいかに重要であるかもわかると思う。
島本さんは、フランスで4年半も修行されていたので、本にはフランスのエスプリを感じる。でも「パウンドケーキ大好き」では、和の材料を使ったレシピが美味しく、とくにこの抹茶&ぬれ甘なっとうのパウンドケーキが美味しい。お菓子だけではなく料理研究家でもある方なので、栄養面を考えたレシピになっていて、ケーク・サレ風パウンドケーキのレシピも載っている。
なぜこの材料を使い、この配分なのか。
なぜこの説明を入れているのか。
たぶん、島本さんは何度も作ってベストの材料と配分を考えられたんだろうな…と、島本レシピのパウンドケーキを作りながら、本の完成度に感動した。
そして、他の研究家の本と明らかに違う、島本さんのもうひとつの個性。それは文章の上手さ。レシピ本文は、指示が多からず少なからずで、文章も簡潔でわかりやすい。前書きやレシピ以外に書かれてある文章は、ホロリとさせられたり(「アイスクリーム大好き」)、クスっと笑わせてくれたりで楽しい。レシピだけでなく、本で語りをしたがる人は多いけれど、島本さんの文章は洗練されていて、まったく嫌味じゃない。ステキだなあ…と憧れる。
実は島本さんのマカロン講習会が関西で予定されていて、それに参加したくてたまらないんだけども(秋林はマカロンが好き。島本さんはフランス時代、マカロンで有名なあのラデュレで研修・就業、マカロンやケーキを作ってこられた方)、ひとりで参加する勇気がなくて…。はう…。
↓「料理研究家 島本 薫の日常」(島本さんのブログ)
http://petitks.exblog.jp/
どちらも作り慣れているレシピです。
■バナナとパイナップルのタルト
小嶋ルミレシピ。共焼き。
小嶋さんのレシピは、種類によって作業の手間がかかるものがあるけど、タルトはレシピ自体が難しくないので、このバナナとパイナップルのタルトも簡単にできた。
タルトは基本的に「ベース+アパレイユやフィリング」。どのフルーツにどのナッツを合わせるか。クレームにするかダマンドにするか。いろんな組み合わせができるので楽しい。慣れないうちは、本に書かれてあるレシピを参考にすればいいけれど、どのお菓子研究家の本も、載っている内容はたいがいどれも同じ。違いを挙げるとすれば、タルト台の材料の比率、混ぜ方かな?
タルト台のレシピで失敗がないのは、小嶋ルミさん。小嶋さんの本には、「どうして失敗するか」「どんな失敗をしがちなのか」を踏まえたうえで、「どうしたら失敗しないか」ということを、初心者にも理解できるように説明してある。そして、実際に作ってみると、そのレシピに納得する。本当に失敗しないから。
いろんなお菓子研究家の本が出版されている中、小嶋さんのレシピは、タルトだけでなくどれもが美味しい。「うわ!これハズレ…」ということがない。人気がある理由が本当によくわかる。
■抹茶とぬれ甘なっとのパウンドケーキ
私が大好きな島本薫さんのレシピ。
ベイキングパウダーは使わない、卵ベースのパウンドケーキ。抹茶はなんと8g使う。他のお菓子研究家の本では、抹茶ではなく抹茶パウダーを使ったリ、抹茶を使ってもだいたいこの半量だったりする。実際、私も最初「なんで8g?」と思ったけれど、作ってみて納得。
抹茶を入れたときに立ち上がる香り。
切り分けたときの、美しく鮮やかな深緑色。
4gでは絶対にここまで感じられない。
(抹茶が切れたことに気付かず、4gで作ったこともある)
抹茶は高級品だからとケチれば、ケチなケーキしかできない。
そして、日本人で良かったと思うその気持ち。
真夜中、生地に抹茶を入れた瞬間、厳かな気持ちになる。
島本さんの「パウンドケーキ大好き」に載っているケーキは、ほとんど作ってみたけれど、この本のおかげで卵と会話することを覚えた。
よく「~分間、卵を泡立てる」という手順が出てくる。これはあくまでも目安であり、卵の品質と鮮度で泡立て時間は変わる。卵ベースパウンドケーキで使用する卵は、新鮮であればあるほどいいとは限らない、理想は「新しからず古からず」ということがよくわかった(実際に、本にもそう書かれてある)。
新鮮だと卵はなかなか泡立たない。レシピに指示されている分数以上かかる。
古ければ卵は泡立ちやすく、レシピに指示されている分数以下で済む。でも、粉を入れて混ぜ合わせるときに、気泡が壊れやすい。
「卵は赤ければいい」という消費者の先入観から、安価で「黄身が濃く、殻を赤く仕上げてある」卵は、温めていると生臭い嫌な臭いが立ち上がる。
少々お高めであっても品質の良い卵は、黄身も殻もそんなに赤くないし、温めていても嫌な臭いはしない。
同じ卵ベースでも、スポンジケーキでは、卵をもったりと跡が大きく長く残るまで泡立てる。パウンドケーキでは、後から入れる溶かしバターの量が多いからか(たぶん)、その一歩手前、1~2秒で跡が消えるくらいがベスト。泡立てすぎや泡立てが少なかったりすると出来にどう影響するか、島本レシピパウンドケーキを何度も作れば、理解できる。島本さんの指示にあった「できた角が1~2秒で消えるくらい」は的確であり、間違いはない。
「どうしてスポンジケーキが膨らまないのか?」で悩んでいる人は、「パウンドケーキ大好き」で勉強するといいと思う。卵の重要性、膨らませるための温度、扱い方がよくわかる。また島本さんも、小嶋さんと同じような混ぜ方の指示があるので(ただし写真は少ない)、気泡を潰さない粉の混ぜ方がいかに重要であるかもわかると思う。
島本さんは、フランスで4年半も修行されていたので、本にはフランスのエスプリを感じる。でも「パウンドケーキ大好き」では、和の材料を使ったレシピが美味しく、とくにこの抹茶&ぬれ甘なっとうのパウンドケーキが美味しい。お菓子だけではなく料理研究家でもある方なので、栄養面を考えたレシピになっていて、ケーク・サレ風パウンドケーキのレシピも載っている。
なぜこの材料を使い、この配分なのか。
なぜこの説明を入れているのか。
たぶん、島本さんは何度も作ってベストの材料と配分を考えられたんだろうな…と、島本レシピのパウンドケーキを作りながら、本の完成度に感動した。
そして、他の研究家の本と明らかに違う、島本さんのもうひとつの個性。それは文章の上手さ。レシピ本文は、指示が多からず少なからずで、文章も簡潔でわかりやすい。前書きやレシピ以外に書かれてある文章は、ホロリとさせられたり(「アイスクリーム大好き」)、クスっと笑わせてくれたりで楽しい。レシピだけでなく、本で語りをしたがる人は多いけれど、島本さんの文章は洗練されていて、まったく嫌味じゃない。ステキだなあ…と憧れる。
実は島本さんのマカロン講習会が関西で予定されていて、それに参加したくてたまらないんだけども(秋林はマカロンが好き。島本さんはフランス時代、マカロンで有名なあのラデュレで研修・就業、マカロンやケーキを作ってこられた方)、ひとりで参加する勇気がなくて…。はう…。
↓「料理研究家 島本 薫の日常」(島本さんのブログ)
http://petitks.exblog.jp/
コメント
すっかりあやしいコメントになってしまいました。ごめんなさい。
お会いする機会があれば、天照さんにもゼヒゼヒ♪と思っております…が、関東って反対側、遠いなあ…。とほほ…。