感情の飢餓

2009年2月20日 読書
感情の飢餓
高校時代によく読んでいた青春小説は、何年経っても瑞々しい石坂洋次郎の「エデンの東」風『陽のあたる坂道』、そして、虚無的で退廃的な青年の心の空白を描いたブレット・イーストン・エリスの黒い『レス・ザン・ゼロ』。

方向性が真逆だといっていい内容なのに、なんでかわからなかったけれど、両作品とも好きでよく持ち歩いていた。そのどちらにも共感した。

私もクレイのいう「奇妙な痛み」を感じながら、結局なにもしないまま、青春を見送った。なんて空虚な世界にいるの、いったいなにをしたいの、まわりに人がいるけれどなにをしようとしているの…と、冷めた目で自分や周囲を見ていたと思う。


「ようするに人間は、“合流するのがこわい”んだ」(『レス・ザン・ゼロ』より)

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索