クリストファー・リーブがお亡くなりになってしまいました。

……ご冥福をお祈りいたします。

↓「スーパーマン」主演のクリストファー・リーブ氏死去(yahoo!)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041011-00000204-yom-int

ジェンダー

2004年10月11日 映画ヨタ話
この一週間、女性が主人公である映画を意識的に取り上げて――いちおう、いろんな年代のいろんなジャンルを選んだつもり――感想を書いてみました。

私は、いわゆるネットで展開される映画レビューというものをほとんど読まない…とゆーか、知らないとゆーか、さほど興味がナイ人で、←でリンクさせて頂いてる方々のご感想を参考にしたり、海の向こうのサイトを覗いたりするくらいしかしてません。で、読んでると――当たり前とは云え、女性が書く文章と男性が書くそれとでは、どうしても捉え方や表現が違うので、男性が書かれる感想を読むとたまに「??」となったりするわけです。

私が書いてることは――はたして男性にも通じてるのかしら?

…というわけで、女性がメインの映画をわざと選んで書いてみたのでした。

それにしても…「男の記憶、女のメモワール」とはよく云ったもので、私の感想でもよく「この映画を観に行ったときは、こんな状況で〜」といったことが書かれてますね。指摘されて、思わず笑ってしまいましたよ。

さてはて…今週は感想をどうしようかな…。
祝!DVD化…待ってた人、絶対多いはず(私もだ!)。
主演は(代表して)キャシー・ベイツさん。本作では大変キュートなおばさん役で、ご本人も「『フライド・グリーン・トマト』大好きなの!ジェシカ・タンディと共演できたし、素晴らしい作品よね」とおっしゃってます。一般的にどすこいイメージを持たれてるキャシー・ベイツですが、ドレスアップした彼女はたいへんエレガントな雰囲気で…私も年を重ねたら、そんな風になりたいと思うのでした。

「フライド・グリーン・トマト」Fried Green Tomatoes(1991・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0101921/
監督:ジョン・アヴネット
脚本:ファニー・フラッグ、キャロル・ソビエスキー
出演:キャシー・ベイツ、ジェシカ・タンディ、メアリー・スチュアート・マスターソン、メアリー・ルイーズ・パーカー、他

ストーリー:
自分を見てくれない夫を振り向かせようと努力するも、すべて空回り、人生ちょっと疲れ気味な主婦エブリン(K・ベイツ)は、ある日、ひとりの老女ニニー(J・タンディ)と出会う。元気のない彼女を見て、ニニーは50年前に起きた話を語り出す。いつしかその昔話に夢中になるエブリン。その話とは、ふたりの女性、イジー(M・S・マスターソン)とルース(M・L・パーカー)の長きに亘る友情、そしてふたりをめぐる人々の物語だった――。

いい映画だよニャ〜…。
なんで当時、ゴールデン・グローブ賞を獲れなかったんだろう?

現代と30年代、ふたつの時代を行き来する構成――30年代はイジー&ルース、現代は主婦エブリン&おばーちゃんニニーの交流が描かれているわけですが、ニニーの話(つまりイジー&ルースの物語)が大変面白く、エブリンじゃなくても続きが聞きたくなってしまうでしょうねぇ。

イジー&ルースの物語において、なにを語り、なにを語らず想像に任せるか――その具合がまた絶妙で、私なんか最後まで「え?イジーはどうなったの?ルースは?」と気になっちゃったもん。

時代を超えることで時間軸が気になるところですが、本作はしっかりしているので、ふたつの交流物語で混乱することはない…とは云いつつ、ラストでそれらがふんわりと結びついてくるあたりが上手いよなあ。お見事です。

イジー&ルース、ニニー&エブリンはごく普通の女性たちであり、それぞれの人生はさほど波乱万丈なものではなく――たとえば「ハックルベリー・フィン」「トム・ソーヤ」のように、ごく一般的な日常の中で起きる、本人たちにとっての大事件を、なんとか自らの手で解決していったり、それによって芽生える友情や笑い話というものに、たいへん温かみがあるというか、等身大さとゆーか…なにかこう身近なものを感じてしまいました。ゆったりとした時間の流れに身を置いて、人生を過ごしたいという願望が――現実逃避ではなく――ついポロっと出てきちゃった。私も疲れてるのかな…。

テンポのよい展開、時折挿入されるブラックな笑い、男にゃわからぬ女の本音と意地、ベタというよりツボを押さえた泣かせどころ――う〜む!ザッツ・エンタテイメント!――私の好みのど真ん中ストレートっスね。

「負け犬ってどうしたらいいの?」と、酒井順子の云うことなんぞより(多少一理あったとしても)、よっぽど女の生きる道を教えてくれる…というか、すべての女を肯定してくれる作品。疲れてる女性へ、そっと出したいレモネード映画…かな?

♯左利きフェチ友の会より報告
左利きリスト追加…メアリー・スチュアート・マスターソン。
ボールを左で投げているところが確認できます。
←主演は生意気だと評判のスカーレット・ヨハンソンさん(なんとまだ19歳)。「30歳以上の男じゃないとダメね」なんて云ってたくせに、現在ギレンホール弟と付き合ってる…って、姐さん、つまみ喰いっスか?…で、その彼女の苗字Johansson――「ヨハンソン」と表記されていますが、英語として1番発音が近いカタカナ表記をすると「ジョハンソン」です。日本のある記者が、インタビューで「ヨハンソンさん」と云ってしまったところ、「違うわよ!私はジョハンソンよ!」と思いっきり訂正を求められたとか。…今後、彼女に会われるご予定の日本人の方。「ジョハンソンさん」と云わないと、彼女怒っちゃうかもしれませんよ。ご注意下さいませ。

DVDジャケットは↑とは違います(なんでか画像が出ない)。
↓正しくはこれ(販売元公式サイト)
http://c10lkxro.securesites.net/vhs/200408/200408_02ame/

「アメリカン・ラプソディー」An American Rhapsody(2001・米)
IMDb→http://imdb.com/title/tt0221799/
監督:エヴァ・ガルドス
脚本:エヴァ・ガルドス
出演:スカーレット・ヨハンソン、ナスターシャ・キンスキー、トニー・ゴールドウィン、ラファエラ・バンサギ、他

ストーリー:
1950年代。自由を求めてハンガリーからアメリカへ亡命しようと、ピーター(T・ゴールドウィン)と妻マルジット(N・キンスキー)は計画を立てる。しかし、産まれたばかりの娘スーザンはやむなく残され、里親の元で育てられることになる。その6年後、両親によってアメリカへと呼び寄せられるスーザン。そして月日が流れ、高校生になったスーザン(S・ヨハンソン)は、家族の意味と己のアイデンティティについて、里親と本当の両親、ハンガリーとアメリカの狭間で悩み、その答えを探そうとハンガリーへと旅立つことにするが――。

我が愛しのナスターシャが――スカーレット・ヨハンソンの母親となっ!?
……がーん。
嗚呼、昭和は遠くなりにけり…。←ちょっと違う

というわけで、のっけからかなりショックを受けてしまった本作ですが、ナスターシャ・キンスキーの変わらぬ美しさにうっとりさせられましたよ。ビバ!我が永遠の憧れの人よ!

■参考
↓「NASTASSJA KINSKI JP」(日本のファンサイト…リンク自由)
http://www.nastassja-kinski.jp/index.html
(素晴らしいサイトです)

日本未公開作でビデオリリースされたばかりの本作。ここ最近活躍が著しい、スカーレット・ヨハンソンを主演にしたドラマで、監督の実話がベースになっているとか(つまりスーザン=監督)。

1950年代に亡命した家族の物語の話であるものの、両国の狭間で揺れるスーザンの、家族の中に溶け込めない宙ぶらりんな自分、心の葛藤、アイデンティティの模索というものは、なにも亡命者だけでなく…実は意外と普遍的で、現代人でもふと感じる悩みなんじゃないかな、と思っちまいましたよ。

スカーレット・ヨハンソンは、米国人ながらたいへんヨーロッパな雰囲気のある(「ヨハンソン」と呼びたくなるのも頷ける)若手女優で、その品が良く、意思の強さを感じさせる顔立ちは、どこか儚さも併せ持っていて、往年のナスターシャ・キンスキーにソックリ(顔は似てません)。演技派をそろえてあるし、こうなるとキャスティングの勝利ですね。

亡命時のハンガリーはモノクロ映画のようなクラシカルな映像で、命をかけて逃げるシーンからカラーになり…という演出は、昔のヨーロッパ映画な雰囲気を醸し出していてGood。東欧的な暗さはそれほど強調されず、舞台が米国へと移っても、仰々しいまでのアメリカ〜ンな明るさもそれほど押し出してはいない。フツーなら、このギャップをとことん描写したりするもんですが、本作はそれほどなくて、なかなか新鮮でした。

シリアスな題材でもそれほど重さを感じさせないのは、ドロドロな家族崩壊を描いているわけじゃないからで、ラストでは希望がちゃんと見えてくるし、感動ドラマとして上手く仕上げてるなと。ただ、ちとTVムービーっぽい印象は否めないか。

自己、そして家族のアイデンティティ崩壊・喪失の恐れ――それが古今東西・国別問わず普遍的なものであり、自分はそれらに対して、いったいどうだった/どうなんだろうかと、観終わった後、つい考えさせられた作品。

「女王フアナ」

2004年10月8日
←もうDVD出てたのね…。
ハプスブルグ家など、西洋王家の家系図簡易版を見ていると、同じ名前の王族がゴロゴロ出てきます。そんな中、歴史学者たちが付けたのであろう、王や皇帝の特徴が一発でわかるような俗称――「太陽王」「獅子王」「航海王子」「雷帝」など――を目にすると、上手く付けたもんだよなと思わず唸ってしまいます。ただ、「獅子王」「偉大王」「勇敢伯」ならいいのですが、「肥満王」だの「強情王」だの「禿頭王」だのと付けられた王様は、後世の極東ギャルにまで「あの王様はハゲだったのね」だの、「デブだったんだ」だのと云われてしまうわけで……それはそれ、史実とはまた別の次元で、なんだか可哀想な気がしてしまうのでした。

「女王フアナ」JUANA LA LOCA(2001・西/伊/葡)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0270480/
日本公式サイト→http://kadokawa-pictures.com/juana/index02.html
監督:ヴィセンテ・アランダ
脚本:ヴィセンテ・アランダ
出演:ピラール・ロペス・デ・アジャラ、ダニエレ・リオッティ、マニュエラ・アーキュリ、ジュリアーノ・ジェンマ、エロイ・アソリン、他

ストーリー:
15世紀末。スペイン女王イザベル1世の愛娘フアナ(P・ロペス・デ・アジャラ)は、政略結婚により、オーストリア・ハプスブルグ家のブルゴーニュ公フェリペ(D・リオッティ)のもとへ16歳で嫁ぐ。美しいフェリペに会った瞬間から心奪われたフアナは、彼を全身全霊で愛するが、フェリペは浮気を繰り返す。激しい嫉妬で身を焦がすフアナ。そんな頃、スペイン女王イザベルが他界。夫であるアラゴン王フェルナンド2世ではなく、フアナをスペイン王位継承者として指名していたことから、王位継承問題が勃発。だがフアナの目はフェリペを追っていた――。

「愛に殉じた狂気の女王」として歴史的にも有名な、フアナの生涯を描いたスペイン大ヒット作品。「狂信的、熱狂的」を意味するFANATICは、フアナが語源なんだそう。ふ〜ん。

オーストリア・ハプスブルグ家において「美貌公」と称されるほど、ダンナのフェリペはたいへんな美男だったらしく、実際に映画のフェリペも色気のあるラティーノ(D・リオッティ)が演じてるのですが――いや〜本作を観てると、彼が若くして死んだのは、フアナに精気を吸い取られたせいなんじゃないかとしみじみ思っちまいましたよ。昼夜問わずであっただろう夫婦のお勤めも、彼にとってはゴーモンだったでしょうねぇ。観ていてつい、「お疲れ様でございます>フェリペ殿」とひとりごち。

しっかし…海の向こうのパッショネイト女による一途な恋とゆーのは、やはり狂気をはらんでしまうものなのね…。「アデルの恋の物語」でイザベル・アジャーニを観たときも、ごくフツーのジャパニーズな私は思いっきりひいてしまったのですが、本作はまだ歴史モノとしてのストーリーラインがあるので、そちらを期待してたのに――これが雰囲気上々なだけ。フアナに威厳を感じさせる啖呵を斬らせても、観てるこっちは突然すぎてピンときませんって。啖呵斬った後に、「私は狂女よ〜!」と叫ばれてもねえ…。

「1.若いけれど風格と威厳を持っている、2.愛に一途なパッショネイト女王なんです。3.だけど彼女もだんだん狂気が増してきて、4.ついに愛に殉じてしまいます。5.そんな女王が昔、スペインに存在したのでした」としてキッカリ描いたほうが(たとえ史実と多少違ったとしても)面白かったのでは?…いや、実際にはたしかに1〜5のストーリーラインですよ、でもひっじょ〜に1が足りないんだもん(女優さんの演技ではなく、そもそもの描写が足りないってこと)。

そのほかで決定的に抜け落ちてるものとして、民衆描写。一国を担う、当時隆盛を誇ったスペインの女王を描いてるくせに、これがないなんて!……側近だけじゃなく、民がフアナをどう思っているかは必須描写じゃない?…「国は民によって成り立ち、王は民によって作られる」わけだし。

結局、さら〜っと流して観た作品。パッショネイトな人が多い国にお住まいの方には満足できるのかもと思いつつ、私には「ふ〜ん」で終わってしまった1本。

しかし…貴族役でジュリアーノ・ジェンマが出てきたのには、ビックリしましたよう!!…あまりの懐かしさにもう少しで叫ぶところでした。…あぶない、あぶない…。そっか〜、彼はスペイン語ができるのね…。

書き終えました。

2004年10月7日
ようやく「スイミング・プール」の感想を書き終えました。

フランソワ・オゾン監督作の中では、この「スイミング・プール」が1番好き…かな?

しっかし…あの単調なメロディの繰り返しである、ミステリアスで独特な曲が頭から離れない!…グルグルグル〜〜〜!

……困っちゃった。
今夜このまま眠れるかニャ?
←この人です、この人!…レンタルビデオ界ではベン・アフレックより信頼度の高い(←まだ云ってる)コリン・ファレル!…なんでも、「タイガーランド」(2000)からほとんど休みナシで仕事をしたため(13本!)、現在は長期休暇を取り、休養&子育てをしてるそうですが――日本で「アレキサンダー」公開の際は、はたしてキャンペーン来日してくれるんでしょうか?…まあ、監督のオリバー・ストーンは、絶対に来るでしょうけど(←自信アリ)。だってねえ…ごにょごにょ…。

先日の日記で、コリン・ファレル主演の映画「アレキサンダー」のお話をしました。

↓映画「ALEXANDER」のお話(10/2の日記)
http://diarynote.jp/d/25683/20041002.html

「コリン大王(…)とバゴアス役フランシスコ・ボッシュの熱烈ラブシーンがあるそうで…私としてはカットされないことを祈るばかりです」と書いたら、続報が出てきました。

↓Alexander Not "Too Gay"(IMDb NEWS…↓の記事の元ネタ記事)
http://us.imdb.com/news/wenn/2004-10-05#celeb3

↓「アレキサンダー」公開延期はゲイ描写のせい?(eiga.com)
http://www.eiga.com/buzz/041005/02.shtml

以下、引用
オリバー・ストーン監督の「アレキサンダー」の全米公開が延期されたが、その本当の理由は、ピクサーの新作アニメ「Mr.インクレディブル」との直接対決を避けるためではなく、男性同士のラブシーンを削除するためだという噂が流れている。

 匿名の関係者が明かしたところによると、同作でアレキサンダー大王はバイセクシャルとして描かれており、女性とのセックスシーンのみならず、男性との激しいラブシーンもあるという。これに対し、配給を手がけるワーナー・ブラザースの重役が、保守派の観客からのバッシングを恐れて男性とのセックスシーンの削除を命じたのだとか。

 一方のワーナー・ブラザースは、「まったくの誤りだ。この映画の出来が素晴らしいから、当初の予定どおり、アカデミー賞獲得に有利になるよう公開を遅らせる。それに、いくつかのVFXシーンの完成に時間が必要で、ゲイのシーンを削除するためではない」と語っている。

…削除したらマジで怒るじょ!!
でもどれくらい激しいんだろう…?
コリンはその道のみなさま方にも人気がある人なので、カットしないほうが動員数は多くなると思うけどニャ…。

…ま、来年のコリン大王に期待しましょう♪

「スイミング・プール」の感想の続きは、ボチボチと書いていく予定です。

追記:
本日、自分のブログが歯抜けになっていることに気付き、確認してみると、書かれているはずの内容がスッパリと消えていました(9/1分とか)。みなさまもお気をつけ下さいませ。

←いいじゃん♪サニエちゃん♪カワイイじゃ〜ん♪…主演のひとり、リュディヴィーヌ・サニエちゃん(25)は、ダイエットをしてこのボディを作り上げたそうです。最初から完璧な女なんていません。そう――女は加工品!磨き磨かれ、綺麗になっていくのです!…と個人的に思ってるだけ。

「スイミング・プール」Swimming Pool(2003・仏/英)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0324133/
日本公式サイト→http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン、エマニュエル・ベルンエイム
出演:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ、チャールズ・ダンス、他

ストーリー:
推理小説家のサラ(C・ランプリング)は、出版社社長ジョン(C・ダンス)の勧めで南仏にある彼の別荘へ行き、新たな小説を書こうとしていた。だがひとりだと思っていたところに、ジョンの娘だというジュリー(L・サニエ)が現れる。自分とは正反対に奔放で気まま、毎夜違う男を連れ込むジュリーに対し、怒りを感じるサラ。ジュリーもサラの振る舞いが気にいらない。そんな反発し合うふたりの間に、奇妙な友情が芽生え始めた頃、プールサイドで殺人事件が起こってしまう――。

ふむ。
フランソワ・オゾンの映画ってのは、セキズイ反射系映画(頭で考える前に反応をして観たほうがよい映画。バカ映画に多し)ではなくて、頭でよ〜く考える/考えたい心理劇系映画なんだよなあ。

そしてさらに、いろんな解釈ができること、鑑賞後に訪れる不思議な余韻が頭をぼやかせ、人から「どんな映画だった?」と訊かれても上手く答えられないところに特徴がある。

私なんかも感覚を研ぎ澄まして、たまにこんな映画を観ないと、自分が現時点でどれくらいの記憶力や想像力、洞察力(私にはこれが1番重要)、推察力、注意力がある…とゆーか、残っているのかを確認できないので、そう思えばオゾン作品は大変貴重な存在っスね。

だからと云って、彼の作品すべてが好きだとは限らない。ただ、毎回「どう解釈する?アナタの感覚レベルはどれくらい?」と挑戦状を叩き付けられてる気分になるし、本作の場合では、とくに前半――展開がミステリー仕立てになる前、サラがどんな人物であるかを、淡々と、しつこく、ときに意地悪く、かなりの時間をかけて描いている――が、さまざまな解釈ができるだろう、不思議な余韻を持つだろうエンディングのベース/ポイントとなるはずなので(じゃないとあんなに長く描写するわけがない…と鑑賞してる間ずっと思ってた)、私はあの淡々とした前半を、持ってる感覚すべて研ぎ澄まして観てしまったナリ。

(以下、多少のネタバレありなので、お気をつけ下さい)

売れっ子作家だけど、枠にはまってしまった自分の作品に満足できない、若手はどんどん台頭してくる、相談相手は思ったほど構ってくれない、でも確固たる自分のペースを築き上げていて、周りから見るとちょっと手におえない堅物女――そんな主人公女流ミステリー作家サラにC・ランプリング。

出版社社長の娘で、自由気まま、男はとっかえひっかえ、食べたまんまで片付けしない、爪はマニキュアがはがれたまんま、水が汚かろうが裸でプールに入り、そのまま何も着ないでうろうろする――そんな奔放フランス娘にL・サニエ。

人間…とゆーか女というのは不思議なもんで、ついこの前まで「この女とは相性最悪!だからキライ!」とか云ってたくせに、ちょっとでも波長が合うと、影響を受け合っちゃって、いつの間にか仲良くなってしまう――そんなことがたま〜にあったりする。突然、不思議な化学反応が起こったかのように。

一緒に生活するうちに、サラは奔放なジュリーの影響により自分を少しずつ解放していき、女性らしくなっていく。ジュリーはサラの影響により、どんどん純化され、品のないあばずれ娘から、しおらしい子供っぽい女の子になっていく――私はその過程が面白かったっスね。私にとって本作のミステリー風な展開は、いくつも出てくるだろう解釈の説明になるし、緊張感が漂って全体が引き締まるので、あったらよりいいよね、オゾンらしいし…というボーナスみたいなもの。

水の溜まったプールってなんだろう?
限られた範囲に限られた水。
海や湖とは違い、どれくらい水を入れるのか、いつ入れ替えをするのか、いつ使うのか…など、人によってコントロールが可能だ。

最初はジュリーが支配していたプール。彼女はそこをどう使うか、誰といつ入るのか、いままでどんな使い方をしていたのか――もしかしたらプールはジュリーを映したものだったのかもしれない。サラは入るまでの時間がとても長い。水が綺麗になり、ようやくその存在認め、中に入っていったサラ――フツーの女はね、信用がない相手の前ではなかなか裸になれないもんです。佐伯かよのいわく、「風呂と睡眠のために脱ぐ。男がいないから、いまのところ信用できる相手は、浴槽とベッドだけってことね」。……。

ラストやジュリーの存在をどう解釈するかに関しては、人それぞれ。「〜というラストである」だの、「映画で描かれているのは〜だ!」と断言することなど、オゾン作品ではできるだけ避けたい。なので、どう受け取ろうがいい、そのままぼや〜んと頭の中に置いとけばいい、というスタンスで観ることが多いかな。

サラが本当に書きたいもの――自らを解放/開放させることができる環境で、それがどんなものであるかを彼女に気付かせ、そして書かせるために、ジュリーは彼女の中にだけ、彼女にしか見えない存在だったのかもしれない。

あるいは、ジュリーはジョンの家庭背景を知っていて、それを利用し、たまたま別荘にやってきて、サラと出会い、彼女に影響を与え、そして影響を受け、去っていっただけなのかもしれない。

いろんな風に受け取れるよう、思わせぶりな伏線が丹念に張られているので、よ〜く感覚を働かせて観てみたい、そんな心理にさせられる作品。

オゾン作品は現実だと思って観ていても、あるとき――現実なのかまぼろしなのかがわからない、そのふたつが交錯する瞬間が突然やってきる。今回はそれがセクシャルかつ「うお!?そうくるか?」とドキっとさせるシーンなので、ビックリしちゃたよう!なんと意地がお悪いことよ!>監督

ところで。my贔屓女優サニエちゃん。今回はよく頑張って脱いだので、おっぱい女優と云われなきゃいいなあ。逆にランプリングは、必要とあれば昔からちゃんと脱ぐ人(往年作「愛の嵐」はもちろん、「ハマーアウト」ではラッシー相手に激しく絡んでました)。同じオゾン監督作「まぼろし」でも脱いでましたし…彼女の年代でヌード可能な人は少ないんだろうなあ。

「バーバレラ」

2004年10月4日
←主演はジェーン・フォンダさん(当時30歳くらい)。私が映画を観出した80年代初め、ハリウッドで最もパワフルかつ影響力のある女優は彼女でした。当時はワークアウトビデオを出してまして、「黄昏」を観たとき、40歳過ぎてもナイスバディな彼女に大変ビックリしたもんです。それにしても…どの時代の出演作を観ても、お父さんのヘンリー・フォンダにソックリですよねぇ…。で、情報によるとJ.LO主演作にて女優復帰するらしく――新旧ナイスバディ対決となりそうです…って、はたしてJ.LOと衝突せずに済むのかどうか…。

「バーバレラ」Barbarella(1967・仏/伊/米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0062711/
監督:ロジェ・ヴァディム
脚本:クロード・ブリュレ、ロジェ・ヴァディム、テリー・サザーン、ヴットリオ・ボニチェリ、ブライアン・デガス、チューダー・ゲイツ、クレマン・ビドル・ウッド、ジャン・クロード・フォレスト
出演:ジェーン・フォンダ、ジョン・フィリップ・ロウ、アニタ・パレンバーグ、ミオ・オーシャ、マルセル・マルソー、他

ストーリー:
宇宙船でひとり休暇を取っていたバーバレラ(J・フォンダ)のもとに、地球大統領から「デュラン・デュラン博士を捕らえるように」との指令が入る。その後、ある惑星に不時着したバーバレラは突然何者かに襲われ、窮地をある男性に救われる。その見返りにオールド・スタイルな愛の営みを求められるバーバレラだったが、その要求に従ってみると、そのあまりの気持ちよさに呆然となってしまう。それでも彼女のデュラン・デュラン博士を探す任務は続く――。ストーリーを書いてて、バカバカしくなってきた…。

ジェーン・フォンダの無重力ストリップにつきる!

――以上!

……もちっと書くか。
フランスのロジェ・バディム監督による、キュートでイノセントなバーバレラが宇宙を冒険をする、ちょっとエロエロなSF映画(もちろんカルト作)。

女性大好き♪タイトルデザイナー、モーリス・ビンダーの手がけたタイトルバック(タイトルやキャスト、クルーの名前が出てくるところ)がとにかく有名で、いったいどんな映像なのかというと――

重くゴツイ宇宙服を着、無重力状態で浮かんでいるジェーン・フォンダが、くるくる回りながら悩ましくも一枚ずつ脱いでいき、最後にはすっぽんぽんになる――という実にシンプルなもの。

なにが素晴らしいって、脱ぐたびに体のビミョーなところからふわ〜っと文字が出て、ビミョーなところを隠しつつくるくる回り、次の文字が出てくるとさ〜っと逃げていく、というポップでキュートでお茶目な演出。またジェーン・フォンダが悩ましいんだ、これが。

女性である私ですらこのタイトルバックにシビれ、巻き戻して再生を繰り返し、DVDがリリースされたときは、自分のものにできるならばとマジで購入を考えたほど。私は「観る価値がある」という云い方がニガテですが、「バーバレラ」のオープニングだけは例外で――え〜い、こうなったら叫んでやる!

「バーバレラ」のタイトルバックを観ずして映画が語れるか!!!

……。

ストーリーは、まあなんつーかその…ポップでキュートなエロエロ映画なため、内容がないと云っても過言ではなく、展開はダルいわ、いまどきの急展開に慣れてる人にはかなりツライわ、視覚的に刺激のあるラブシーンは皆無だわ…で、リモコン片手に早送りする人続出でしょう。ただ、大真面目に駄作扱いするほうがダサいと思うので、本作を鑑賞するご予定のある方は、ここはひとつ――あんまり怒らないで観て下さいまし。

それでも、ジェーンが着ている衣装は、あの当時に考えられた未来の服とは思えない…とゆーか、いまでもコスプレSF映画で使えそうなくらいゴージャスでキュートなものが多く、見所のひとつとなってるかな。映画全体に漂うチープ感とのギャップがたまんないですよね。

ジェーン・ファンダといえば「ウーマン・リブの闘士」。なので、女性が性的に解放されている「バーバレラ」に主演するのも至極納得な話ですが、あの大女優がねえ…。ただこの映画って、なにげに後世に影響を与えているのか、「コクーン」(1985)のアレは、バーバレラが云ってた「未来のセックス」とソックリだったし、最近では「CQ」が「バーバレラ」っぽい感じを醸してたかな、と。探せばほかにもありそうだ〜。

なお、昨年リバイバル上映となった「キャンディ」は、「バーバレラ」に近い雰囲気だと思われます…って、なんで「思われます」なのかというと、見逃したから。たぶん大きなレンタルビデオ屋さんに行けばあるでしょうけど、この手の映画は観たいと思う気持ちに準備が必要なので、鑑賞はまたとうぶん先になりそうです。

あとはえ〜っと…英国バンド「デュラン・デュラン」は、本作のデュラン・デュラン博士が名前の由来だそうです。

ところで。本作がドリュー・バリモア主演でリメイクされるという話はどうなったんでしょうか?…すんごく楽しみにしてるのですが、続報がありましぇん。でもブリジット・フォンダ(ジェーンの姪)ってのは、いろんな面でちとキビシイと思うので、ドリューにはぜひ頑張ってダイエットしてもらいたいものです。
←主演はジュリア・ロバーツさん…ですが、私は彼女に対してま〜〜ったく興味がなく、それでもイソイソと本作を観に行ったのは、好き好きだあ〜い好き♪な、ギレンホール家のマギーお姉ちゃんが出演してると知ったからです(「だ〜い好き♪」は「ギレンホール家」ではなく「マギーお姉ちゃん」に係ります、念のため)。ところで彼女の苗字Gyllenhaal――発音に1番近いカタカナ表記をすると、レンホールではなく、レンホールですよね。なぜ日本人が「gy/gi」を「ギ」と発音してしまうのか――ラルフ・マッチオ主演「ベストキッド」をご覧になるとおわかり頂けるかと>外国のみなさま

■「モナリザ・スマイル」Mona Lisa Smile(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0304415/
日本公式サイト→http://www.monalisa-smile.jp/
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール
出演:ジュリア・ロバーツ、キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホール、マーシャ・ゲイ・ハーデン、他

ストーリー:
50年代、ニューイングランド地方の名門女子大学ウェルズリー大に、新任美術史教師としてやってきたキャサリン(J・ロバーツ)。理想に燃えてやってきた彼女だったが、大学は伝統かつ保守的、生意気ながらも優秀な生徒たちは「結婚してよき主婦となること」と教えられていた。それでもキャサリンは、テキストに書かれていない芸術の素晴らしさ、自我とはなにかを生徒たちに教えようとする。最初は反発していた生徒たちだが、次第に彼女の言葉に耳を傾けるようになり、そして――

1950年代。
ニューイングランド地方。
保守的な寄宿制名門私立校。
伝統を重んじる校長と教師。
決められたレールを歩かされることに異議できない学生。

…とつらつら書くだけで、グラウンドで生徒に担がれてたロビン・ウィリアムズや、純情そうに見えたイーサン・ホーク、当時は太ってなかったブレンダン・フレイザーに、ヤな坊ちゃん節爆裂だったマット大西くん、ぜんぜん印象に残らなかったベン・アフレック…などの顔が一気に浮かんでくる――つまり、古きよき時代と呼ばれた米国の、最も古い歴史を誇る地方で、型破りな教師と学生たちによる青春ドラマ、あるいは伝統と保守思想にがんじがらめ状態だった学生たちの葛藤と自我の目覚め――云っちゃ悪いけど、ありがちで、いままでも何度か目に/耳にしてきたストーリーであるとは思う。

実際「Dead Poets Society for girls」(女の子向け「いまを生きる」)なんて書かれ方されてたし、その気持ちだってわからんでもない…けど、私比較論じゃないと思うなあ。「どっちも面白いし、いい映画」じゃダメなわけ?

(以下、激しいネタバレありです。お気をつけ下さい)

いろいろなエピソードを織り込んでいるので、ちょっと長尺に感じてしまうのは否めない。でもそのエピソードをひとつひとつ観ていくと、ジュリア演じるキャサリンの考えや行動――そのすべてを肯定しているわけではないことがよくわかる。

彼女がイタリア語教師から云われる痛烈な言葉(「君は立派過ぎる」)に、「私だってそう思うよ」と共感したし、キャサリンに進学を勧められてその気になりつつ、でも最終的に結婚を選んだジョーンだって、別に伝統や保守性に負けたのではなく、純粋に「学業よりも家庭を築きたい」という信念があったからで(目とセリフを聞けばよくわかる)、キャサリンが云うほどの後悔はしないのではないかと思う(たとえて云うなら、山口百恵的選択かなと)。私はそんな信念のあるジョーンの選択を支持したい。

キルスティン演じるすんごいヤな女子学生ベティは、たしかにキャサリンの影響を受けて決断をしたと思う…けど、最終的に彼女を救ったのは、マギーお姉ちゃん(演じるジゼル)だ。

親や世間体のいいなりで愛のない結婚を選んだベティ。彼女のイライラor八つ当たりが爆発したとき、ジゼルだって彼女に云えたはず。でも云わずに*****。秋林、ここで大泣き!いっちばん大人で、人の気持ちを理解できてたのはジゼルだったよね…ああ、女のコの友情っていいよね…。

テキストには書かれていない、自分の本能で感じる芸術とは?女性の役割とは?…「自分で考えること」の大切さを教えつつ、学校側の圧力に負けそうになったり、同僚の言葉にヘコんだりしているキャサリンも(定石だけど)等身大だ。う〜む…ジュリアがこんな型破り教師役を演じるようになるなんてなあ。彼女はロマンティックコメディだけの女優じゃないとは云え、ここ最近は主演作らしいものがほとんどなかったので――なんでこんな地味な役を選んだのかと云われてるらしい――新鮮な気持ちで観れた。私はあのガサツな歩き方がどうにも好きになれないけど、この作品ではプラス要素かもしんない。

ただ、ジュリア・ロバーツというトップ女優を配しても、この映画で魅力的で印象に残った…とゆーか、実質的な主役は学生たちだったかなと。キルスティンはさすがの演技力で、ヤな女のコをセンシティブに上手く演じてたし、ジュリア・スタイルズは説得力あったし、マギーお姉ちゃんは――あの中では年齢がちょっと厳しいか――超魅力的で私は観てるだけでうっとりしてたし、ジニファ・グッドウィンに共感する女のコも多かったんじゃない?…型破り教師と生徒による青春ドラマと云われつつ、でも実際は「行間を読んで欲しい、若手の演技を観て欲しい、女のコ映画」でもあったと思う。

マギーお姉ちゃんのジゼルがちょっとバイセクシャルに見えたり、同僚教師がレズビアンだったりと、セクシュアリティを感じさせるところもちょっとしたポイントか。

俳優たちのたしかな演技、きっかり手堅くまとめた監督のマイク・ニューウェル、「こんな学校じゃなかった!」と云われる可能性大なのに、あえて実在する大学を舞台に脚本を書いたローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール(コンビなんだとか)、エルトン・ジョンや50’sの音楽――定石を丁寧に踏んで作られた映画は心地よいものでもあると、改めて実感させられた作品。…この映画でそう思うかは、これまた人それぞれですが。

それにしても…学生役の若手女優たちの中で飛びぬけた美人がいないってところに、ジュリア・ロバーツの圧力を感じたナリ。

♯左利きフェチ友の会より報告
左利きリスト追加:ジュリア・ロバーツ。
左で字を書いてる姿を本作にて確認することができます。
←この人が、レンタルビデオ屋さんにおいて「知名度が高く、作品もヒットしているにも関わらず、イマイチ爆発的人気につながらず、微妙な位置にいるベン・アフレックより信頼度が高い」(蛍風さん談)、コリン・ファレルさん(28)です。…どうです?お近くのレンタルビデオ屋さんで、このお顔がプリントされたハリボテ(立看板とも云う)や、一面に並んだ彼の出演作をよく見かけませんか?

え〜っと、「フォーン・ブース」感想のオープニングヨタ話で書いたネタを独立させることにしました。

「トレイラーよもやま話」でも取り上げた、コリン・ファレル主演でオリバー・ストーン監督作「ALEXANDER」の全米公開日が、11月5日より同21日へ変更となったようです。

↓「ALEXANDER」トレイラーよもやま話(5/27)
http://diarynote.jp/d/25683/20040527.html

↓公式サイト(US版。写真が良く、コンテンツも豊富なので日本版よりオススメ)
http://alexanderthemovie.warnerbros.com/

↓オリバー・ストーン版「アレキサンダー」が公開延期(eiga.com)
http://www.eiga.com/buzz/040928/11.shtml

ピクサー最新作「Mr.インクレディブル」との直接対決を避けるため、同21日に変更されたそうですが……どっちにしろオスカー狙いであることは変わりないですよねぇ。で、その「ALEXANDER」。海の向こうのサイトでコツコツ情報収集していると、やたらとGAYの文字が目に付きます。もともとバイで有名だったアレキサンダー大王ですが、リアリティを追求する監督のもと、コリン大王(…)とバゴアス役フランシスコ・ボッシュの熱烈ラブシーンがあるそうで…私としてはカットされないことを祈るばかりです…ってか、日本腐女子のみなさん!要チェックですよ!!

↓フランシスコ・ボッシュってこんな人(IMDb)
http://us.imdb.com/name/nm1492209/
コリン大王に手ごめにされそうな雰囲気ですねぇ。

ジャレット・レトとは絡まないのか…。でも彼とコリンでは、ちと画面が暑苦しくなるので、フランシスコくんのほうが見た目にはいいのかも。

ちなみに日本では「05年正月第2弾公開」。ってことは、1月半ばあたりからでしょうか?…まだとうぶん先かあ…。

で。US版公式サイトをうろついてたら、いままでのコリンのイメージをぶっ飛ばす衝撃スチール写真を発見。

↓ママ役アンジーとその息子役コリン(公式サイト)
http://alexanderthemovie.warnerbros.com/html/photo.html?curImg=3

ちょっとちょっとちょっと!
これ――何歳のアレキサンダー!?

なんちゃって歴史学科生だった私の記憶が正しければ、アレキサンダー大王は若くして王となり、世界制覇し、そして死んでいった人。なので、ママであるオリンピアスが若くても不思議じゃないんですが――この写真だと「なんかのプレイですか?」って云いたくなっちゃうんですけど…。う〜む。

ちなみにアレキサンダーが、西洋のほか、東洋の国も制圧できたのは、どうやって異文化社会を統治するかをよく知ってたからで、比較的他国の文化に理解があったり、その国の姫たちと政略結婚したからだと云われてたような覚えがあります(本当にうろ覚えなので、信用しないで下さい)。

ま、とりあえず来年まで待つか…。
10月になりました。

今月は映画(もしくは読書)感想を、頑張っていろいろ書いてみようかニャ…。食欲ゲージツの秋だし。

新作・旧作問わず書こうと思ってます…が、映画感想の場合、ブラットパック系はここ数ヶ月、感想・ヨタ話ともに書きすぎたので、ちと控えめにしようかニャと。

ところで。
デザインテンプレートが3種類選べるようになったのですが、これ…いったいどうなんでしょ?私は自分でサイトを開設したことがナイので、画面やピクセルの大きさとどう関係があるのかイマイチわからない…。

我が秋林家で7月あたりまで使ってたPCは、15インチのディスプレイだったので(800×600にしてました)、スタンダード版(あるいはサイトTOP)だと画面いっぱいに見えたのですが、17インチに変わったとたん、字が小さくなってしまい、なんとも見づらくなってしまったのです。

2段組左メニュー版を選択すると、字が大きくなるものの…17インチでちょうど良かったら、15インチディスプレイの人だと、横スクロールしなきゃなんないんじゃないか?とか思っちゃうわけです。

どうしよう。

とりあえず、2段組左メニュー版を試してみようかニャ…。食欲ゲージツの秋だし。
←代表としてボーカルのエリック・マーティンさん(43…恐るべし)を。TMGの基本メンバーは「松本孝弘、ジャック・ブレイズ、エリック・マーティン」の3人。ボーカルのエリックは、次があるならまた参加したいと本気で願っているらしく、「僕は次も採用されるの?」と松ちゃんに訊いていました(松本先生いわく「ちょっと待って」)。というのも、実は松ちゃんが最初に想定していたボーカルは、エリックでなく、デビッド・カヴァデイルだったそうで、そんなビッグネームが出れば、エリックだって心配してしまうというもの。で、そのエリックさん。MR.BIG時代にB’zの「Juice」をカバーしたことがあるそうで、その後バンドが解散してしまったため、完全にオクラ入りになってしまったのだとか。うわ〜!聴いてみたかったです!(ソースは「BURRN!」6月号…B’z系はソースを明らかにしたほうがいいかな、と)

今月の当ブログ内「THE MOST ATTRACTIVE MAN」(ATTRACTIVE…誘引力のある)は、TMGのみなさんに決定!…あ、「みなさん」だから「MAN」じゃなく「MEN」か…。

「え?9月にアルバムを出したのは稲葉さんなのに…なんで?」と云われそうですが、いいの!私が勝手に決める「9月の人」なんだから!…って、主な理由としては、9月上旬に行われたTMGのライブが大変素晴らしかったからで、別に稲葉さんに対し不満があるわけではありましぇん。

なんつーかその…TMGのライブへ行って、エリックの上手さ(歌はもちろん、観客の引っ張り方など)、ジャックおじさんのアグレッシブさ(楽しませようとしているその姿)、クリスの実直なドラミング、楽しそうな松ちゃん、そして熱いオーディエンスに心底感動したんですよ。

今回TMGライブは3本参加したのですが、このブログでその3本すべての感想を(書き方を変えつつ)書いてるあたり、私もそうとう熱くなってたな〜と、今になってちょっと恥ずかしく思ってたりします。その詳細は←のmyテーマ一覧「B’z語り」をクリックすると出てきます(ライブ感想は語りすぎなので、今日は逆にまったり気分で書いてます)。

TMGライブの感想を聞いた中で、1番嬉しかったのは知り合いのMR.BIGファンのコメントでした。

「そりゃ〜もしギターがポールだったら?ベースがビリーだったら?とかって、少しは思ったよ。でもTAKだって素晴らしかったし、TMGはTMGでよかったと思うし、MR.BIGファンやってる以上、B’zはどうしたって絡んでくるし…私は文句なんてないなあ。エリックだって、めちゃくちゃ楽しそうだったじゃない。偏見持ってる人のほうが損してるよ。もったいない」

嬉しいねぇ…うるるるるる…。

ところでアルバム「TMG I」ですけど。
友人に云われて気付いたのですが、歌詞カードに、ほんのりと杏仁豆腐の香りが付いてません?

以上、9月の「最も魅力的な人(たち)」でした♪
←来年2月あたりに主演作「Constantine」が公開予定のキアヌ・リーブスさん(とうとう40)。かつてワーナー・ブラザースの顔と云えばトムトムだったのに、「マトリックス」以降、「WB」のロゴを背負ってたのは、なにげに彼だったような気がします(「Constantine」もWB配給)。ところで、この夏のキアヌさん。「あんなところにキアヌがいたよ!」のタレコミが続き、カプリ島やパリ、シカゴ郊外などでその姿を目撃されていたようです。病気療養中の妹さんのためだったのか、撮影だったのか、純粋に休暇だったのか…私もそこまでフォローしてないため、真実はわかりましぇん。ただ、シカゴでの彼はベースを弾いてるただのにーちゃんでしたけどねぇ(詳細は事務局便り2をご参照)。

キアヌ・ウォッチャー事務局からのお知らせです。

■「キアヌ・ウォッチャー事務局」とは
「キアヌのことは好きだけど、『キアヌ様♪うふ♪』と云う気はさらさらない。でも新作が公開されると観たくなる…とゆーか観なくては!と思ってしまい、観たら観たで今度はなにかひとことふたこと云いたくなる」という極東ギャルによって、2004年春、勝手に発足された不定期活動体。活動内容はたった1つ――「キアヌを生あったかい目で末長く見守ってあげる」こと。現在、傍観者募集中。

↓キアヌ・ウォッチャー事務局便り(1)
http://diarynote.jp/d/25683/20040616.html
↓キアヌ・ウォッチャー事務局便り 2
http://diarynote.jp/d/25683/20040814.html

先日、地下日記にてちょろりと書いたのですが――数ヶ月ほど前、「キアヌが主演した昔の映画の続編ができるかもしれない」というウワサが流れました。

1.「ビルとテッドの大冒険」
2.「ハートブルー」

このふたつのどちらかが候補だったようです。前者はデュードもの…というか、青春バカチン映画の金字塔的作品、後者はキアヌ主演作の中でもカルトな人気が高い…というか、彼が初めてカッコイイ役を演じたアクション作品でして、ジャンルは違えども、そのどちらもなかなかマニアな人気を誇っています。…ってことは、私もマニア!?…がーん。

で、上記にて「候補だったようです」と過去形となっているのは、このウワサがいつの間にか立ち消えちゃったからで、どうやら単なるウワサに過ぎなかったようです。

まあ、40過ぎのおじさん一見おにーさんが、「でゅ〜ど!」「わ〜お!」「えくせれんと!」「の〜うぇい!」などと叫んでる姿はちとコワイし、かと云って、リメイクとして若いもんがビルとテッドを演じるのも、なんだか一抹の淋しさを感じますし…ってか、それならアシュトン・カッチャー&ショーン・ウィリアム・スコット「ゾルタン★星人」の続編をなんとかしてもらいたいです。

もうひとつキアヌ情報を。

実はキアヌがとうとうプロポーズしたというニュースが流れました。お相手はキアヌのガールフレンドだと長い間云われていた、女優のオータム・マッキントッシュさん。

↓「Keanu "To Marry Macintosh"?」(IMDb)
http://us.imdb.com/name/nm0532843/news

↓オータムさんのお写真(yahoo!)
http://us.movies1.yimg.com/movies.yahoo.com/images/hv/photo/movie_pix/the_shooting_gallery/one/_group_photos/autumn_macintosh2.jpg
(これしか出てこない…彼女が出演した「One」という映画のスチール写真です)

お友達の話によると、「キアヌがオータムさんにプロポーズし、彼女も『イエス』と云った」そうで、「とうとうキアヌも結婚か〜。もう40だもんなあ…昔いろいろあったけど、幸せを祈るわ!」と、さすがの私もつい祝福しそうになったのですが。

キアヌ本人が否定したようです。

↓「Rumon Control: Who’s Next?」(Extra TV.com…WB系)
http://extratv.warnerbros.com/v2/news/0804/18/4/text.html

まあ彼の場合、ブラピやラッシーと違って、40過ぎても気ままに男友達とつるんでる姿が似合いますけどね。

さらにもうひとつ。

オジー・オズボーンの奥様であるシャロン・オズボーンが、製作予定のある映画で、オジー役をキアヌに演じてもらいたいとアプローチしたとかなんとか…(すみません、ソース失念)。

ええええええええええっ!?

キアヌがオジー!?

…寝言は寝てから云うものかと…。

以上、キアヌ・ウォッチャー事務局便りでした♪

ニュースいろいろ

2004年9月28日 TV
←「こちらブルームーン探偵社」のシビル・シェパード主演、ロバート・ダウニーJr.共演のロマンティック・コメディ「ワン・モア・タイム」。公開されたとき、「見逃したらあかん!」とイソイソ観に行ったものです。この頃のロバート・ダウニーJrは、歌って踊れる上に演技が上手かったので、将来を大変期待された若手でした。でもなんであんなことになっちゃったんだか…ってか、彼が8歳のとき、すでに父親からドラッグの手ほどきを受けてたという話(真偽のほどわからず)を小耳に挟みまして、こりゃ彼のせいだけじゃないなと、ちとかわいそうに思ったのでした。

う〜む…。

昨年あたりから当ブログでは、やれアンドリュー・マッカーシーだ、ブラットパックだのと、やたら80年代の話をしております。

その理由としては、当時公開された青春映画が、現在DVDでバシバシリリースされるため、つい懐かしくなってしまうからなのと、そのほか――80年代に若手だった俳優さんたち(現在40歳前後)が、日本でも公開されるような映画や話題のTVドラマにナイスな役で出演してたり、地道でキャリアアップしてる姿を作品で垣間見たり、あるいはその成功をニュースで聞いたりするからだと思います。

たとえば、米国TV界で最も権威のある賞である、第56回エミー賞授賞式が先日開催されたのですが――

↓エミー賞公式サイト
http://abc.go.com/primetime/emmys/index.html

今年の主演ウィナーは誰かな〜??と思って覗いてみたところ――うおおお!?

ジェイムズ・スペイダー!?

おおおおおおお!こりゃビックリ!
受賞スピーチ動画を見てたら、いつもは冷静そうな彼が動揺しまくってたりして、なんだかほほ笑ましかったです。

「24」のキーファー・サザーランドもノミニーでしたね。長い間頑張っていて、ジョエル・シューマカーの一連作(「ロストボーイ」「フラットライナーズ」など…まだある)や、キアヌとのTV共演作、「スタンド・バイ・ミー」など…とにかくよく見かけた人です。ついに「24」で花を咲かせたという感があります。

そのほか、日本でも話題のドラマ「SEX and the City」のサラ・ジェシカ・パーカー。あの「フットルース」で脇役やってた彼女がねぇ…(ちなみに彼女のダンナはマシュー・ブロデリック、元カレはロバート・ダウニーJr.)。

で、エミー賞は部門が86もあるため、チマチマしたリストを確認するのが一苦労でして、それでも頑張って見ていたら、ブラットパッカーと呼ばれたメア・ウィニンガムの名前をゲスト女優賞で見かけ、これまたちょっと嬉しくなったのでした(受賞したのはシャロン・ストーン)。

↓エミー賞ノミニー一覧(公式サイト)
http://abc.go.com/primetime/emmys/nominees.html

なお「キングダム・ホスピタル」は、特殊効果など2部門でノミネートされてましたが、結局受賞しませんでした。残念。…このままだとキング版もカルト化しそうだよニャ…。

そして今日、FLIXニュースでこんな話題が。

↓「ロバート・ダウニーJr.、アルバムデビュー」(FLIXサイト)
http://www.flix.co.jp/v2/news/N0005448.shtml

以下、引用。
ロバート・ダウニーJr.、がソニーからソロアルバムを発売することが発表された。収められた10曲のうち8曲はダウニーJr.が作詞作曲したバラードだという。他の2曲は、YESの“ユア・ムーヴ”と、『チャーリー』のサントラにも収められている“スマイル”をカバーしたもの。ダウニーJr.は1992年の『チャーリー』でアカデミー賞にもノミネートされ、“スマイル”はセルフカバーとなる。また、アルバムではピアノの腕も披露しているというからファンには楽しみな1枚となりそうだ。

…ふむ、さすがですね。彼は踊れるし(「レス・ザン・ゼロ」でもタップを見せてくれます)、演技だって上手いし、とにかく多才な人なので、またバカやらない限り、いいところまで行くと思うのですが――とりあえずしばらくは様子見かと。

アンドリューも頑張って欲しいなあ…。
←これですね♪>蛍風さん
(amazonでは画像が出ないので、楽天から出しました)

このDVDを借りたくてビデオ屋さんへ行ったら、レンタル中でした。
戻ってきたら、←でリンクしている蛍風さんが感想をお書きになってました。こ…言霊??

…え〜っと。
「レス・ザン・ゼロ」の映画感想を追記・訂正しました。
いつもながら長い感想文ですみません。
←昨日感想を書いた小説「レス・ザン・ゼロ」の映画がこれ。そーなんです、いまでこそすっかり「そんなのあったっけ?」と忘れ去られた感のある作品ですが、実は原作本が出版された2年後に鳴り物入りで製作・公開となり、日本ではさらにその2年後に公開されてたんです。ええ、当時10代でカワイイ少女だった私(ツッコミ不可)もイソイソと観に行きましたよ。だって主演はアンドリュー・マッカーシーだったんだもん!!←まだ云ってる…。ただ共演のロバート・ダウニーJr.が、この数年後にマジでドラッグスキャンダルを起こしちゃったってのが、シャレになんないよニャ…。

20世紀FOX「1枚買ったら1枚タダ!」キャンペーン(2980円)で購入した、映画DVDの感想第七弾(兼、「アンドリュー後援会/ニッポン支部」による「アンドリュー映画特集第三弾」)です。…まだ続いてる模様…ってか、ほとんど不定期連載状態っスね。

■「レス・ザン・ゼロ」Less Than Zero(1987・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0093407/
監督:マレク・カニエフスカ
脚本:ハーリー・ペイトン
出演:アンドリュー・マッカーシー、ジャミー・ガイツ、ロバート・ダウニーJr.、ジェイムズ・スペイダー、他

ストーリー:(今回はamazonを引用)
クリスマス休暇で東部の大学からビバリーヒルズに帰省してきたクレイ(アンドリュー・マッカーシー)は、事業に失敗して麻薬に溺れているかつての友人ジュリアン(ロバート・ダウニーJr)と再会。何とか彼を立ち直らせようと、クレイは恋人のブレア(ジャミー・ガーツ)とともに腐心するが…。

ブラット・イーストン・エリスの「レス・ザン・ゼロ」が映画化されると聞いたとき、「へ?映画化できるの?あのヤマなしオチなし小説をどうやって?」と、無気力・無関心でスキャンダラスなゼロ・ジェネレーション描写より、淡々としたクレイの一人称で綴られている展開自体が、あんまり映画向きではないこと、そしてさらに主人公クレイをアンドリュー・マッカーシーが演じるとわかるや、極東少女(当時)の私でもそのあまりのミスキャスティングぶりに、鑑賞前からイヤ〜ンな予感はあったんですよ。

そしたらばですね――これがもう予感大的中
小説とまったく別物、ごくフツーのブラットパック映画に仕上がっていたのでした。

なにもすべてを原作通りにしなくたっていいとは思うのですが、せめて根底に流れるスピリットだけは同じ色…というか、流れを感じさせて欲しかったよニャ…。あ〜…。

のっけからいきなり「セント・エルモス・ファイアー」っぽいノリに、まず愕然。そんな学園モノでいいのか!?…と思っていると、次のシーンでダルそうなアンドリュー版クレイ(ここでサービスカット有…泣いて喜ぶ秋林)となり、名曲「A HAZY SHADE OF WINTER」と雰囲気バツグンなタイトルバックが流れ、おおおおお!エリスらしくなってきたと喜んでいたら――ここまででした。

登場人物とストーリーは、エリスの原作からマテリアルと雰囲気だけをイタダキしたほぼオリジナル。クレイはにこやかに笑って愛想いいわ、ブレアに未練タラタラだわ、ジュリアンとラブトライアングル状態だわで、もはや別人28号。パーティ・ドラッグ・セックス三昧描写や快楽に陥る若者たちだって、思ったほどモラルに欠けてなかった。ここらへんはロジャー・エイヴァリー監督による「ルールズ・オブ・アトラクション」のほうが、80年代に限定してない設定だったというのに、よっぽどエリスな雰囲気を醸してたなと。

そしてなによりビックリしたのは、クレイの冷えた心はどこへやら、「クレイとブレアがジュリアンを救おうと頑張る、青春ホロ苦ストーリー」な、せつなく儚い青春映画として仕上がっていたこと。ラストも決定的に違う。映画で大フィーチャーされたジュリアンのエピソードは、原作ではあくまでもワンエピソードに過ぎないし、彼が最終的にどうなったかも語られてないのにね。

ブラットパック映画として見た場合、ごくフツーな出来。ただやっぱり、簡単には共感させない、乾ききってどよ〜んとした作品にして欲しかったかな…。キレイ過ぎだし、どちらも繊細だけど、これままた種類が違い過ぎる

クレイがドラッグでキメるシーンがない。ゼロの説得力がなくなる原因のひとつか。次第に堕ちて行くジュリアンの運命が映画のすべてとなり、最後は反面教師。時が経ち、昔を思い出したとき、ふとせつなくなる…そんな凡庸な青春映画にして良かったのかどうか。

それでも、カラフルな80年代的な色使いの中、青を基調としたスタイリッシュな画面構成と、どことなく物憂げな印象を与える雰囲気がたいへん素晴らしく、いったい誰が撮ってたんだろう?と今回調べてみたら、エドワード・ラックマンと判明し、思わず納得。浮世離れした中でリアル感を与える色使いと画面構成が上手い人ですよね。

監督は「アナザー・カントリー」のマレク・カニエフスカ。よって、主人公クレイよりロバート・ダウニーJr扮するジュリアンがドラッグに溺れ、男娼として堕ちて行く様が大フィーチャーされたことに、これまた納得してしまいましたよ。…もし年齢的な問題がなければ、ジュリアンをルパート・エヴェレットにやらせたかったに違いないっ!

で、アンドリュー。原作通りのストーリーだったとすれば、完全にミスキャストだし、それにあの時点でクレイを演じきるだけの演技力は彼になかったと思うので、フツーのブラットパック映画になってよかったのかも。

ブレア役のJ・ガイツ。彼女もブレアのイメージではないし、アンドリューと一緒にいると、恋人同士というよりは魔女と弟子。そして映画版ブレアは女子からの共感は少なそう。

ドラッグ・ディーラー役のJ・スペイダー。…素晴らしいっ!!お若い頃から歪んでる役が似合ってたとは云え、「マネキン」で見せたベタギャグよりよっぽど良かったです。

そしてロバート・ダウニーJr.。この時代、この人は飛び抜けて上手く、映画版ジュリアンを好演していたなと。多少オーバーアクトなところは目をつぶるとしても、ジュリアンが彼でなかったら、もっと白々しい出来になっていたかと思いまする。

原作を知ってる人にはエリス臭がなくガッカリ、ブラットパック映画として観たならば、「ま、こんなもんかな」という出来な、マレク・カニエフスカらしい作品。

ところで。実はこの映画にブラピが出てます。何度観てもその場面がわからなかったので、海外の掲示板で確認したところ――「最初のパーティ場面、アンドリューがドアに向かったとき、彼の後ろを通り過ぎたふたりの男のうち、二番目の男」。「clearly Brad Pitt」って…ほんの一瞬、顔もまともに見えなかったのに…クリアにわかるか、そんなのっ!!

■DVD仕様評価

1.惹句(DVDの帯についてる宣伝コピー)

「セックスとドラッグに溺れるビバリーヒルズの若者たち――。全米を震撼させた絶望の青春」

震撼させたのは原作だってば…。

2.仕様・特典など
ピクチャー・レーベル、英語4.0chサラウンド、英語字幕あり、ビスタ・サイズ。

この手の映画はいつも特典ナイないよね…。

3.総括
エリス臭を求めない、青春映画にキレイさとせつなさを求める人にはオススメな映画。
高校時代に読んだ青春小説の感想を。

石坂洋次郎の作品については以前語ったので、今回は石坂作品とともに特別な思いがある、ブレット・イーストン・エリスの作品を取り上げます。

■「レス・ザン・ゼロ」ブレット・イーストン・エリス
ISBN:4120017168 単行本 Bret Easton Ellis 中央公論社 1988/09 ¥1,155

ストーリー:
L.Aの裕福な家庭出身であるクレイは、大学の冬休みを利用して地元に戻ってきた。同じく裕福な友人やGFのブレアとともに、パーティ・ドラッグ・セックス三昧な毎日を送りるクレイ。感情的になることもなく、虚無的・無気力・無関心、日々の生活には憂鬱さと倦怠感さえ漂り、すべてにおいて乾ききった彼だったが、あるとき友人ジュリアンの様子がおかしいことに気付く。そして――

米国では1985年に出版された、ブレット・イーストン・エリス(当時20歳)のデビュー作にして、80年代を代表する青春小説の傑作。

高校時代、同級生たちやまわりが吉本ばななや村上春樹を読んでた頃、私はブレット・イーストン・エリスを読んで大衝撃を受けていた。

主人公クレイの一人称で綴られるこの「レス・ザン・ゼロ」は、彼が端的で的確な人物観察のできる人間でありながら、恐ろしいまでの無関心さと冷えた心を持っている青年だということを淡々と描いている。ストーリーは、エリスらしく盛り上がりや衝撃的なラストがあるわけではないが、ドラッグやセックスまみれのスキャンダラスで享楽的な日常を送る若者たちを描き、その中でクレイの冷えた行動と心理を追っているという内容だ。

次々と登場してくる人物たちは、名前があってもクレイの目には基本的にへのへのもへ字として映り、彼の興味をそそる親友なんて誰ひとり出てこない。家族にいたっては名前すら出てこず、妹ふたりは「上の妹」「下の妹」と表現され、両親は体裁のみ、彼は家族という名前のコミュニティに属しているだけである。

「人は人、我は我」という本人に自覚のない信念のもと、虚無的・無関心…でも彼にとっては至極ナチュラルなのであろう、なにひとつ不自由のない生活――だが、それと反比例するかのような、冷めて冷えて乾ききった心を、掘り当てれば溢れ出てくるだろう暖かな水で、彼は潤したくないのだろうか?

そんなことを思いながらも、私はクレイの思考や行動が嫌いになれなかった。理由は簡単で、あの当時の私は彼と同じような冷えた心――つまり、自分の中にクレイが確実に存在することを知っていたし、妙な自意識を持っていたこともあって、まわりの人間がへのへもへ字に見えて仕方がなかったからだ。なんて傲慢だったんだろう。なんて厭な奴だったんだろう。いまでもあまり変わってないところがあるか。

80年代――冷たい戦争と云われた時代、私の目に映った米国は、レーガノミクスのもと、いつまでもパーティをやってるかのような享楽的でポップ、MTVが幅を利かす文化を垂れ流していた。日本でもMTVが流れ、私は小林克也の番組を見、TBSベストテンで歌謡曲を聴き、ブラットパック映画を鑑賞し、成績が落ちない程度に勉強をし――そして心の中に表現しきれない、おそろしく冷えたものを自覚のないまま抱えこんでいた。

エリスの「レス・ザン・ゼロ」を読んだとき、自分以外にもそんな冷えた心を持つ若者がいて、それを一人称でリアルに表現されていることにショックを受けた。

小説は盛り上がりもなく、淡々と終わっていく。
決して明るくはないし、読むと確実にどよ〜んとする。

クレイはたしかに虚無的だ。
彼が語る内容は空っぽで、我関せずという姿勢は徹底している。

でも時折出てくる幼い頃の回想シーンは、彼がゼロ以下な人間だけではないところを垣間見せてくれ――それがどれだけ読者に伝わっているかはわからないが――この小説に存在する、唯一の救いのかけらになっていると思う。

ビリー・アイドル、デュラン・デュラン、プリンスといった当時人気のあったアーティスト名や、MTVが最先端だったことなど、時代を感じさせるところはある。だが若者の冷えた心の表現が普遍的なものとなり、また翻訳が名訳なこともあって、いま読んでも文章に古さを感じさせない。それどころか、斬新で端的な文体はエリスと「レス・ザン・ゼロ」以降に現れた「エリスもどき」を、完全に差別/区別化させている。

エリスの作品を「絶望の青春小説」と呼ぶ人がいる。でもそれはごく一般的な、恋だの家庭の悩みだとといったステレオタイプな青春小説とはかけ離れているから客観的にそう見えるだけであって、実際のエリスは絶望を(直接的には)書いていないと思うし、クレイだって自分の青春や人生が絶望的だなんて、これっぽっちも思っちゃいないだろう。たぶんエリスは――その欠落を書きたかったのではないだろうか。表現するまで彼の心の奥底に沈んでいただろう、虚無的でゼロ以下な心を。

先日、JRで移動中に「レス・ザン・ゼロ」を久しぶりに読んだ。つい夢中になって一気に読んでしまったが、昨年日本で文庫本化された「ルールズ・オブ・アトラクション」(彼の二作目)は、映画と同様、テクニカルな手法が鼻につき、「レス・ザン・ゼロ」で感じたリアルさが一気に薄れていた。そうとなれば、盛り上がりとオチのない内容は、読んでてもただつらいだけだ。心底ガッカリしてしまった。それでもエリスの新作が出れば読んでしまうのだろうし、映画化されたら観てしまうのだろう。

「レス・ザン・ゼロ」は、80年代のヤッピーを強烈に正直に描写した小説だ。その時代に10代を送った者とって(全員がそうだとは云わないが)、ブレット・イーストン・エリスは、好き嫌いの次元を超えた特別な作家であり、また彼の作品を読むことによって、私は心の奥底に沈む冷たいものを、いまだに消化できていない――いや、消化することなんてできないだろう自分を感じるのである。

訂正と追記のご案内

2004年9月24日
←一瞬、モニカ・ベルッチかと思っちゃった…。

えっと、先日アンジー主演「テイキング・ライブス」の感想を書いたのですが、書き漏らした大切なことを追記&わかりにくいところを訂正しました。

↓「テイキング・ライブス」感想(9/13の日記)
http://diarynote.jp/d/25683/20040913.html

実に私らしい追記かも。
←過去のLIVE-GYMを思い出します。

・稲葉さん、初お披露目「Come On Let’s Dance」で失敗
・稲葉さん、マイク忘れる
・稲葉さん、スタンド振り回しすぎてマイクすっ飛ばす
・稲葉さん、歌詞をハデに忘れてボーゼン自失
・稲葉さん、腰の動きが左右から前後へ

…う〜む…10年ひと昔。

←でリンクしているカヨコさんのブログにて、「B’zとの付き合い」なるお話がございまして、頷きながら拝読し、そしてたいへん同感/共感している自分に気付きました。

ただ私の場合、B’zと思い出作りをしている面が強いかもしれないですね。

そしてたぶん――流行廃りがない音楽をやってること、そういったまったり系ファンがとても多いということが、彼らの根強い…とゆーか、株価高値安定な人気を支えている秘密なのではないかと、個人的に思っています。

もし10年後に渚園でライブをすることになったら?

私は確実に行くでしょう。
そしてとなりにはNちゃんがいることでしょう。

稲葉さん、お誕生日おめでとうございます。

すっかりまったりファンとなった私ですが、これからも貴方と松本さんに騙されていきたいと思います。

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